研究課題/領域番号 |
15591460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
森田 勝 産業医科大学, 医学部, 講師 (30294937)
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研究分担者 |
杉尾 賢二 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70235927)
小山 倫浩 産業医科大学, 医学部, 助教授 (00309965)
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 講師 (30299614)
竹之山 光広 産業医科大学, 医学部, 助手 (10309966)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 食道癌 / 多発癌 / 喫煙 / 飲酒 / 家族歴 / アルデヒド脱水素酵素 / FHIT / アルコール |
研究概要 |
喫煙、飲酒は食道癌、肺癌のrisk factorであり、代謝酵素の遺伝子多型が発癌の感受性に関わっていると考えられる。喫煙、飲酒の癌多発との関連、代謝酵素の組織内の発現の意義、標的遺伝子の解明を目的として研究を行った。 1)食道内癌多発のrisk factor:食道癌114例の切除標本を全割し、癌の数と喫煙、飲酒との関係を調べた。癌の数が多いほどheavy smoker、大酒家の頻度が高く、過度の喫煙、飲酒が食道癌の多発のrisk factorと考えられた。 2)食道上皮のアルデヒド脱水素酵素-2(ALDH2)の発現:ALDH-2異常は飲酒による顔面紅潮に関わり、食道癌の危険因子である。食道癌51例の食道上皮におけるALDH2の発現を免疫組織化学染色にて検討した。低、高発現群における大酒家の割合は各26,79%で、顔面紅潮の頻度は各72、17%であった。したがって、食道上皮のALDH2発現は遺伝子型と関係し、アルコールにより局所に誘導されると考えられた。 3)アルコール代謝酵素の体内分布:wild mouseではALDH2は肝、肺、食道、胃等、ヒトと同様の分布を示した。一方、ALDH2-knockout mouseでは、CYP2E1が肝臓で増加していた。したがってALDH2-knockout mouseはアルコールによる疾病の病態解明に有用な動物モデルと考えられ、さらにALDH2はCYP2E1の発現を抑制していると考えられた。 4)食道癌症例における癌関連遺伝子Fhitの発現:癌部のFhit減弱例は発現例に対し飲酒、喫煙量がともに多く、さらに、食道上皮の減弱例が発現例より有意に大酒家および癌多発例が多かった。したがって、飲酒による食道癌の発癌、とくに癌多発の一因として、食道上皮のFhitの発現減弱が関与している可能性が示唆された。
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