研究課題/領域番号 |
15591463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井口 篤志 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90222851)
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研究分担者 |
田林 晄一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90142942)
小田 克彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60323002)
畑 正樹 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00282070)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 心停止ドナー / 心臓移植 / コンダクタンス カテーテル / 圧-容積関係 / 左室機能 / 右室機能 / 虚血、再灌流傷害 / ナトリウムイオン / 水素イオン 交換 / Na(+) / H(+)交換抑制剤 / 右心機能 / 再灌流障害 / 心保存 / 薬剤デリバリー法 / 圧-用量関係 / Na^+ H^+交換抑制剤 |
研究概要 |
Na(+)/H(+)交換抑制剤(NHEI)の副作用と、NHEIの投与量、投与方法の問題について心臓移植後の左心室、右心室の機能回復に関して検討した。心保存液を用いた長時間の心保存で、再灌流障害を抑制する目的で使用するNHEIを使用した場合、中枢神経系などへの副作用が懸念されるが、心臓のみで目的とする濃度を保つことができれば他の臓器への障害がなく、長時間、心保存後の再灌流障害を抑制することができる。このことを移植心の左室機能、右室機能の収縮能の圧-容量関係から検討した。ブタ心停止ドナーからの心臓移植実験で、4群について実験を行った。 1群 n=6 NHEI(1mg/kg)を脱血心停止の10分前に投与し、再灌流の10分前に人工心肺の回路内にNHEI(2mg/kg)を投与した。 2群 n=6 NHEI(1mg/kg)を脱血心停止の10分前に投与し、再灌流直後から冠動脈内に選択的にNHEI(6.7mg/kg/分)を30分間投与した。 3群 n=6 NHEI(1mg/kg)を脱血心停止の10分前に投与し、再灌流直後から冠動脈内に選択的にNHEI(6.7mg/kg/分)を10分間投与した。 4群 n=6 生食を脱血心停止の10分前に投与し、再灌流の10分前に人工心肺の回路内にNHEI(2mg/kg)を投与した。 移植手術後には肺血管抵抗が上昇し後負荷は増大していたが、右室容積は増加していなかった。肺血管抵抗の上昇に対して、NHEIを使用しない群では右室収縮能が低下し、右室はFrank-Starling mechanismのみによって機能し、結果として心拍出量を保つために右室容積は拡張した。NHEIを使用した場合、右室は収縮能を増強させることにより右室後負荷の上昇に対応し、心拍出量を維持することができることが示された。冠動脈内に選択的にNHEIを投与することにより、全身への影響を軽減し、心機能を温存することができた。
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