研究課題/領域番号 |
15591485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
井上 清俊 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50193579)
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研究分担者 |
池田 一雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80275247)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 肺線維化 / Cre / loxPシステム / adenovirus vector / 線維芽細胞 / 肺胞上皮細胞 / BMP7 / Id2 / Id3 / ld2 / ld3 / TK / Akt / YB-1 |
研究概要 |
肺線維化に対する遺伝子治療の多くは、肺胞上皮細胞を保護しその増殖を促す方法、あるいは線維芽細胞の増殖を抑制する方法のいずれか一方を行ったものである。我々はCre/loxPシステムを備えたアデノウイルスベクターを用いることにより、その両者を同時に行おうと試みた。 TGFβ阻害作用を持つBMP7を発現するloxP virus《CAGプロモーター-loxP-スタッファー配列-loxP-BMP7》の作成に成功した。これにCAGプロモーターを有するCre virus《CAGプロモーター-Cre》を肺線維芽細胞に共感染させることにより、肺線維芽細胞にBMP7を強発現させ、TGFβの線維形成作用を阻害することに成功した。そしてBMP7を発現した線維芽細胞ではbHLH型転位因子の抑制因子として知られているId2およびId3の発現が増加していた。このためloxP virus《CAGプロモーター-loxP-スタッファー配列-loxP-Id2 or Id3》を作成し、Id2およびId3の強発現によってもTGFβの線維形成作用を阻害することに成功した。これらのloxP virusのスタッファー配列内に細胞に生存シグナルを与えるAktやHGF遺伝子を組み込み、すでに作成済みの《collagenプロモーター-Cre》と共感染させることによって、in vivoにおいてはcollagenを産生する肺線維芽にはTGFβの線維形成作用を阻害する遺伝子を発現させ、肺胞上皮細胞には生存シグナルを与える遺伝子を発現させることができるのである。 また、SiRNAを用い、PolimeraseIII系によるsmall hairpin RNAをCre/loxPシステムを備えたアデノウイルスベクターに組み込んで、肺線維芽細胞特異的発現による選択的遺伝子抑制も同時に行う予定である。
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