研究課題/領域番号 |
15591501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
山下 純一 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20279285)
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研究分担者 |
中野 正吾 愛知医科大学, 医学部, 講師 (20351108)
城塚 透子 愛知医科大学, 医学部, 助手 (80351104)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 肺癌 / 微小転移 / 分子生物学的検出 / 全身病 / 予後 / 補助療法 / 臨床応用 / 治療 |
研究概要 |
早期と考えられる固形癌においても、流血中、骨髄中などにしばしば癌細胞が存在することは以前から指摘されていました。肺癌や乳癌患者においては、早期に発見し根治手術を施行したと判断される場合においても、再発死亡に至る症例がしばしば経験されます。われわれは変異遺伝子のみを特異的に増幅する方法として3'末端に変異した遺伝子の配列に相当する塩基を持つプライマーを用いてPCRを行うプロセスを開発しました。この方法によりリンパ節や血液中に散布された癌細胞を鋭敏に検出することができます。臨床病期早期の末梢性小型肺癌においても、術前、術中、術後の末梢血中には高頻度に癌細胞を検出できることが判明しました。これにより、肺癌や乳癌は発見の段階ですでに全身病としてとらえねばならない病態が存在することを証明することができました。このように癌特異的遺伝子変異やmRNAを指標としたPCR法による潜在癌細胞の検出法の確立は、坦癌患者における血液やリンパ節中の潜在癌細胞の検出を可能とし、治療のstrategyを構築する新たな手段となりました。現在、当科では自動核酸抽出器、Light Cyclerを導入し、迅速かつ定量的な遺伝子診断を行い、そのさらなる臨床応用をめざしています。自動核酸抽出器を用いる事により、一度に32検体から純度の高い核酸を1時間以内で抽出する事ができます。抽出した核酸を鋳型にしてLight Cyclerを用いた増幅を行うと、45サイクルのPCR解析まで約45分しか要せずゲル電気泳動も不要であるため、現時点では検体採取後3時間以内での結果報告も可能になりました。本研究において、肺癌患者の末梢血中癌細胞の分子生物学的存在診断の臨床的意義と問題点について明らかにすることができました。
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