研究課題/領域番号 |
15591505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
林田 信彦 久留米大学, 医学部, 講師 (30238141)
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研究分担者 |
有永 康一 久留米大学, 医学部, 助手 (10299406)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アポトーシス / Sialyl Lewis-X / 再灌流障害 / 血管内皮細胞機能 / 心筋代謝 / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
目的:シアリルルイスXオリゴ糖類(SLX)を常温心筋保護液に添加することによる摘出心における再灌流障害抑制効果を検討した。心筋機能・血管内皮機能の保護効果、及びアポトーシスの関連についても調べた。 方法:20のWisterラット摘出心を用いた。サポートラットを用いた血液交叉体外循環モデルにドナーラットからの摘出心を装着し、60分間の心停止の後に120分間の再灌流を行った。通常の常温血液心筋保護液で心停止・再灌流を行った群(n=10)をcontrol群、常温心筋保護液にSLX(60μg/ml)を添加し心停止・再灌流を行った群をSLX群に分けて検討した。 測定項目:心機能として左室内バルーンにより左室収縮圧、左室拡張末期圧、+dp/dt、-dp/dtを測定した。血管内皮機能・心筋代謝として動脈血・冠静脈血を採取し、冠循環流量・CK-MB湧出量・nitric oxide(NO)産生量を測定し、また、アセルコリンを負荷して血管内皮予備能を測定した。再灌流後に組織を採取し、心筋内ミエロペロキシターゼ(MPO)活性を測定、走査電子顕微鏡でapoptosis小体出現の有無、免疫組織染色にて血管内皮細胞でのP-selection・E-selectinの発現を評価した。さらにアガロースゲル電気泳動法による断片化DNAの検出およびTUNEL法によるTUNEL陽性細胞の検出を行った。 結果:SLX群ではcontrol群に比べ心機能は良好に保たれ、CK-MB湧出量は低値であった。SLX群では再灌流後の冠循環流量・NO産生量は保たれ、心筋MPO活性は低値であった。またSLX群では、血管内皮細胞でのP-selectin・E-selectinの発現は抑制されており、電顕所見ではapoptosis小体の発現が減少していた。SLXによる再灌流障害抑制効果は接着因子発現抑制による白血球の血管内皮への接着および心筋内浸潤抑制を介しており、necrosisのみならずapoptosisの回避が関与している可能性が示唆された。
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