研究課題/領域番号 |
15591543
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小黒 恵司 自治医科大学, 医学部, 講師 (90231232)
|
研究分担者 |
島崎 久仁子 自治医科大学, 医学部, 講師 (40142153)
渡辺 英寿 自治医科大学, 医学部, 教授 (50150272)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | cerebral ischemia / calcium / hippocampus / resistance / slice / IP_4 / developing gerbil |
研究概要 |
1)IP_3 3キナーゼノックアウトマウスにおける機能的変化 IP_33kinaseノックアウトマウスすなわちIP_4欠損マウスを使用し、同マウスにおける学習・記憶障害とCa^<2+>動態の変化を組織学的・生理学的に観察した。1)IP_33kinase抗体を用いた免疫組織学的検索ではIP_33kinaseは正常海馬CA1領域に強く発現していた。2)10分間の両側前脳虚血では、虚血7日後海馬の組織学的ダメージに差異は認められなかった。3)電気ショックを用いたpassive avoidance testで、ノックアウトマウスは野生種に比し、学習・記憶能力に劣っていた。4)Rhod2-AMを用いた海馬スライスのCa^<2+>イメージングで、ノックアウトマウスはGlucose-Oxygen除去後、CA1における細胞内のCa^<2+>の増加開始までの時間が長く、Ca^<2+>増加率も少なかった。以上より、IP_4は細胞内Ca^<2+>の増加経路の1つとなっており、学習・記憶の獲得に関与していることが推測された。 2)幼若砂ネズミの虚血抵抗性 一般的に言われるように幼若動物が本当に虚血抵抗性があるならば、そのメカニズム解明は脳虚血治療に結びつく可能性がある。生後2週間以内の砂ネズミを使い、1)実際に前脳虚血に対し抵抗性があるか、2)抵抗性があるとすれば、そのメカニズムは何かにつき、主としてCa^<2+>代謝の面から検討した。1)5分間の両側総頚動脈遮断による前脳虚血に対し、成砂ねずみが全例(10例)海馬CA1領域に遅発性神経細胞死を来たしたのに対し、幼弱砂ねずみでは同数中、遅発性神経細胞死を来たした例はなかった。2)海馬スライスを用いたRhod2-AM負荷による[Ca^<2+>]_iイメージング実験において、成砂ネズミでは酸素グルコース除去後にCA1領域において約2.5倍の[Ca^<2+>]_i上昇を認めたが、幼弱動物では[Ca^<2+>]_i上昇をほとんど認めなかった。3)生直後からの海馬のAMPA型グルタミン受容体のGluR1-4の蛋白発現を経時的に調べると、GluR2のみ成個体に比し生後13,20,27日において有意に発現が増加していた。以上3つの結果より、AMPA型グルタミン酸受容体のGluR2が幼弱期における神経細胞死の制御を、細胞内Ca^<2+>の調節を介して行なっている可能性が示唆された。
|