研究課題/領域番号 |
15591553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山本 隆充 日本大学, 医学部, 教授 (50158284)
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研究分担者 |
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
深谷 親 日本大学, 医学部, 講師 (50287637)
大島 秀規 日本大学, 医学部, 助手 (20328735)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | post-stroke pain / central pain / motor cortex / motor evolved potential / coicospinal tract / VAS / D-wave / 大脳皮質運動領 / 痛み / 運動誘発電位 / 視床痛 / 中枢性疼痛 / ketamine / drug challenge test / pain / motor evoked potential |
研究概要 |
post-stroke painの治療を目的とした大脳皮質運動領刺激療法は、刺激によって疼痛部位にmuscle contractionを誘発するように電極を留置する必要があり、著効例は運動機能が比較的保たれている症例に多く認められることなどから、皮質脊髄路を下行する運動系の関与が示唆される。また、大脳皮質運動領から知覚領への逆行性刺激によってthalamo-cortical tractの異常興奮を抑制するなどの機序も考えられているが、メカニズムは現在も明らかでない。本研究は、大脳皮質運動領刺激の方法を確立し、その作用機序を明確にすることを目的として研究を行った。 その結果、大脳皮質運動領刺激における電極の留置部位を決定するにはcorticospinal MEPのD-waveを指標とするのが有効であることが、グリッド電極を用いたmonopolar anodal stimulationで明らかとなった。今回の検討では、D-waveの振幅とVASの変化を比較するためにグリッド電極を使用したが、実際の手術ではメドトロニック社のRESUME電極で最大の極間距離(4cm)を用いて双極刺激を行い、硬膜上を移動しながらD-waveが最大の振幅で記録される部位を決定して、電極を留置している。D-waveを用いる刺激部位の決定では、1)D-waveを誘発するために使用した電極をそのまま慢性留置電極として使用できる、2)皮質下のpyramidal neuronが刺激された反応そのものをモニターできるので、最適の刺激部位ならびに電極の留置方法を選択できる、3)通常の全身麻酔で一期的な手術が可能である、などの利点がある。画像誘導装置を用いて中心前回に刺激電極を留置する方法では、電極がmotor cortex上に留置されても、実際にmotor cortexがどの程度刺激されているかを確定することはできない。また、硬膜を開いて中心溝を確認して電極を留置することを推奨する報告もあるが、この方法でも実際にどのように刺激されているかを評価するのは困難である。一方、corticospinal MEFを用いる方法では、硬膜の上からでも最適の部位を決定することができるので、最もすぐれた方法であると考える。 今回の検討で、D-waveの振幅とVSAの減少率に有意の相関を認めた事実は、最適の電極留置部位を決定するための有効な手段を提供するのみならず、大脳皮質刺激による除痛効果の発現にpyramidal tractが重要な役割を担っていることが明らかとなった。
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