配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
光ファイバー内蔵血管内カテーテルと最新の光テクノロジーを組み合わせることによって,さまざまな血液中微量物質を連続的に定量できる臨床使用可能な技術の開発を目的として以下の研究を実施した。 1.光ファイバー内蔵カテーテルに任意の波長の光を供給し,反射光や蛍光を測定できる装置を作成した。 2.光ファイバー内蔵カテーテルを使用して,血液内微量物質濃度を測定した。 3.現行の光ファイバーカテーテルでは測定できない血液内物質を検出するための特殊カテーテルを考案した。 まとめと今後の課題 研究を進めた結果,血中微量物質の情報を得ることが可能となったが,血液に光を照射する方法では,以下に列挙する制約があることも明らかになった。 1)血液中に大量に存在するヘモグロビンにより650nmより短い波長の可視光は,ほぼ完全に吸収されてしまうため400nmから650nmの可視光を利用できない。 2)血中物質を吸光により検出する測定系では,血液内に入射した光の反射光の強さは,血液内物質の吸光のみでなく光路長により影響を受けるが,現行の測定系では光路長を特定できず,吸光物質の定量が困難である。 3)血中物質に特定の励起光をあてて蛍光強度より濃度を定量する測定法では,励起光の到達距離を制御する必要があるが,現行の測定系では励起光の到達距離は上記の吸光測定系よりはばらつきが小さいものの正確な制御は困難である。 4)900nmから1200nmまでの近赤外域の光は臨床使用上極めて有用であるが,臨床用のアボット社製血管内カテーテルに内蔵されている光ファイバーは,900nmより波長が長い近赤外光を伝達できない。 これらの問題を解決する方法として,エバネッセント蛍光測定法を応用することを着想した。今後エバネッセント蛍光用血管内カテーテルを試作し,臨床応用を目標に研究を継続する計画である。
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