研究課題/領域番号 |
15591640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
冨安 志郎 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90244061)
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研究分担者 |
趙 成三 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90325655)
前川 拓治 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10336167)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 心筋保護 / 抗酸化酵素 / グルタレドキシン / Akt / レドックス / アポトーシス / GAPDH / 酸化ストレス |
研究概要 |
虚血性心疾患の病態において活性酸素種によるアポトーシス誘導の関与が示唆されており、抗酸化酵素が心筋保護において非常に重要であることが知られている。内在性抗酸化機構の一つとしてglutaredoxin (GRX)がある。我々はGRXを定常的に過剰発現するH9c2ラット心筋芽細胞株(H9c2-GRX)およびコントロール細胞(H9c2-Vector)を作成し、GRXによる心筋保護効果について検討した。H9c2-GRXはH9c2-Vectorと比較して、過酸化水素により生じるアポトーシスに対して抵抗性を示した。過酸化水素投与後、H9c2-Vectorではcell survival signalとして重要なAktが一過性にリン酸化を受けたのち直ちに脱リン酸化され、その後分解された。一方、H9c2-GRXではAktのリン酸化が遷延し分解も生じなかった。Aktの脱リン酸化におけるProtein phosphatase (PP2A)の関与を調べたところ、H9c2-VectorではAktの脱リン酸化に一致してAkt-PP2A間の相互作用が増強していた。また、Akt-PP2A間の相互作用増強と一致してAktの遊離SH基が還元型から酸化型へ変化していた。変異解析によりCys297とCys311が分子内disulfide結合を形成していることが明らかとなった。H9c2-GRXにおける抗アポトーシス効果はGRXの阻害剤であるカドミウムによる抑制された。以上より、GRXがAktの酸化還元状態を制御することでその活性化状態を維持し、これにより抗アポトーシス効果を発揮することが明らかにされた。現在、GRXの新たな標的分子としてGAPDHに焦点をあてて解析を進めている。
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