研究課題/領域番号 |
15591666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
土田 英昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20155394)
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研究分担者 |
上田 善道 (上田 善通) 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
関 純彦 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50315503)
日高 康治 金沢医科大学, 医学部, 助手 (50410337)
柳川 慎平 金沢医科大学, 医学部, 助手 (60329399)
白塚 秀之 金沢医科大学, 医学部, 助手 (00329385)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | スナネズミ / 海馬 / アポトーシス / 熱ショック蛋白90 / 熱ショックタンパク90 |
研究概要 |
1.アポトーシス関連遺伝子の検索:麻酔下に雄性スナネズミの頸部正中を切開し、虚血群では両側総頸動脈を5分間遮断する一方、対照群では麻酔手術のみ行い虚血操作を施さなかった。cDNAマクロアレイ法により虚血前後で発現の変化する遺伝子を解析した結果、HSP90を含む5つの遺伝子が虚血48時間後に発現が亢進し、逆にras-related proteinを含む5つの遺伝子の発現が減弱した。 2.同定したHSP90のmRNAの確認:RT-PCR法により対照ならびに虚血48時間後の海馬CA1領域におけるHSP90メッセージレベルの発現を検討した結果、両群とも想定された247bpsでのバンドが発現し、発亢進は虚血後6-48時間まで持続した。得られたPCR産物の塩基配列を解析した結果、スナネズミHSP90mRNAはラットのそれと94%の相同性を示した。 3.HSP90蛋白発現量の検索:Western blot法を用い、対照及び虚血12-96時間後の海馬領域での経時的なHSP90蛋白発現量を測定した結果、HSP90蛋白は対照群でも観察されたが、虚血群では虚血12時間後に発現が亢進し、虚血24-48時間後に最大となった。 4.免疫染色によるHSP90蛋白発現部位の検出:免疫組織化学を用いた解析で、対照群の海馬錐体細胞にも微弱ながらHSP90蛋白の局在が観察された。一過性脳虚血により海馬錐体細胞全体でHSP90の発現は亢進するが、CA1領域ではCA2-3領域に比べ発現が弱い傾向を示した。 5.強制的HSP発現亢進の影響:HSPの発現促進剤であるgeranylgeranylacetone(GGA)をスナネズミの腹腔内へ投与し、海馬錐体細胞内にHSP90の発現を亢進させたところ、GGAは虚血96時間後におけるTUNEL陽性細胞を減少させ、同時に海馬残存神経細胞数を有意に増加させることが分かった。GGAは虚血120時間後における海馬残存細胞数も有意に増加させたが、その数は96時間後と比較して減少した。 6.吸入麻酔薬の影響:現在日本で最も使用頻度の多い揮発性麻酔薬であるセボフルランが、スナネズミの遅発性神経細胞死に対して保護効果を有するか否かの検討を行った。一過性前脳虚血負荷前、1-5日間にわたって毎日1時間ずつ1MACセボフルランを吸入させた後、両側総頸動脈を5分間遮断し、その96時間後に海馬錐体細胞の残存細胞数を比較した。セボフルランの虚血前吸入は海馬残存細胞数を有意に増加するときと、影響を与えないときがあることがわかった。
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