研究課題/領域番号 |
15591669
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
島居 徹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (80235613)
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研究分担者 |
内田 和彦 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90211078)
吉川 和宏 愛知医科大学, 病理, 講師 (60109759)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | マイクロアレイ / インターフェロンα / 腎細胞癌 / 網羅的発現解析 / インターフェロン / 分子標的 / 薬剤感受性 / 網羅的解析 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
目的:腎癌のインターフェロンα(IFNα)感受性を制御する遺伝子を基礎的臨床的に検討する。 方法:(1)臨床的検討は腎癌14例、正常腎4例において、癌と正常間およびINFαへの反応性と遺伝子発現の違いを3,840クローンのマイクロアレイにて網羅的に検討した。(2)基礎的にはSKRC腎癌株をMTTアッセイによりIFNα感受性株と抵抗性株を選別し、IFNα1,000U/ml投与後、0-3-6-12-24時お遺伝子発現変化を20,000クローンのマイクロアレイにより解析した。解析は(1)既知のIFNシグナル伝達分子の発現を検討(2)IFNα投与前の遺伝子発現の差を検討し感受性を識別しうる遺伝子セットを抽出(3)IFNα投与後の遺伝子発現変化を検討し、IFNα感受性に関連する遺伝子の発現を定量PCRにより確認し、IFNα感受性を予測するモデルを作成した。 結果:(1)臨床的検討:腎癌と正常腎の遺伝子発現から2群を明らかに分類できる遺伝子セットが選択できた。腎癌転移巣4例に対するIFNα治療で2例はPRとSD、2例はPDで、IFNαの有効性を予測する遺伝子セットの抽出の可能性が示唆された。(2)基礎的には(1)既知のIFNシグナル伝達分子の発現に差を認めず、IFN投与後はリン酸化による伝達も確認された。(2)IFNαの感受性株、抵抗性株の比較では遺伝子発現亢進は感受性群で26遺伝子、耐性群で18遺伝子に認めた。(3)IFN投与後はこれら44遺伝子中7遺伝子で発現較差が広がる傾向があり、IFNαの感受性に関わる候補遺伝子と考えた。これらの発現を定量PCRで確認し、統計学的にIFN感受性を予測しうるモデル(推定式)の作成が可能であった。 考察:腎癌のIFNα感受性の差は、既知のIFNシグナル伝達分子の発現やそのリン酸化による伝達に差を認めず、下流の遺伝子発現が関わっているものと考えられた。網羅的遺伝子発現解析により、感受性に関わる遺伝子候補の選別と、予測モデルの作成が可能であり、IFNの感受性の制御する標的分子となる可能性も示唆された。
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