研究課題/領域番号 |
15591736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
村上 弘一 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (20242555)
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研究分担者 |
生水 真紀夫 金沢大学, 医学部附属病院, 助教授 (30226302)
井上 正樹 金沢大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10127186)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 子宮内膜症 / ドラッグデリバリーシステム / ダナゾール / アロマターゼ / 局所療法 |
研究概要 |
子宮内膜症病巣に持続的に有効濃度の薬剤を放出するドラッグデリバリーシステムとしてヒアルロン酸に化学架橋を加え、ダナゾールを含有させた生体内分解性ゲル(HAゲル)を作成した。HAゲルの化学修飾をステアロイル基、グリタリル基、オレイル基について検討し、それぞれの疎水性基の導入率の最適化をはかった。修飾基の導入率上昇によりHAゲルの分解速度は低下したが、導入率を一定以上に高めると逆に分解速度が上昇した。また、HAゲルの含水率を高めると分解速度は上昇した。各HAゲルのダナゾール放出動態を検討し、グリタリル化HAゲルを子宮内膜症実験モデルに投与することとした。 ラット子宮内膜を腹壁に自家移植して作成した子宮内膜症モデルの嚢腫中にHAゲルを0.1ml注入し、病巣に対する効果を検討した。ゲル注入後、嚢腫径は一時的に増大し2週間目にピークをとったが、以後徐々に縮小した。投与8週間後では、対照群よりも有意に縮小していた。嚢腫組織内のダナゾール濃度は1週間目には約30μMと高値を示し、以後漸減したが3週間目でも6μMの濃度を維持していた。投与期間中の血中濃度は1週間目に4ng/mlであったが、以後は感度(1ng/ml)以下であった。嚢腫内の子宮内膜上皮の組織像においては、HAゲル投与で内膜上皮の著明な萎縮をみとめた。また、HAゲル投与の内膜上皮においてアポトーシスの亢進をみとめた。HAゲル投与前後を通して性周期は正常であり、定期的な排卵をみとめた。排卵数においては、HAゲル投与群とコントーロール群の間に有為差をみとめなかった。また・全身的除副作用はみとめられなかった。 以上の内容は、第56回日本産婦人科学会(東京都)、第49回日本不妊学会(旭川市)、第9回国際子宮内膜症会議(オランダ)で発表した。現在、原著論文として畳領され、Fertility & Sterillyに掲載予定(2006/1)である。
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