研究課題/領域番号 |
15591766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大分大学 (2004-2006) 大分大学(医学部) (2003) |
研究代表者 |
河野 康志 大分大学, 医学部, 講師 (40274758)
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研究分担者 |
楢原 久司 大分大学, 医学部, 教授 (60211447)
福田 淳一郎 大分大学, 医学部, 助手 (20381048)
宮川 勇生 大分大学, 医学部, 教授 (70040607)
嶺 真一郎 大分大学, 医学部, 助手 (00336273)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 血管内皮増殖因子 / 子宮内膜間質細胞 / 卵胞液 / 顆粒膜細胞 / 子宮内膜 / 血管新生 |
研究概要 |
近年、子宮および卵巣におけるVEGFの発現が報告され、排卵、黄体形成、子宮内膜の増生、黄体の形成、胎児期の器官の発育や胎盤の形成に必要な血管新生に関わっていると考えられる。本研究では、卵巣および子宮内膜におけるvascular endothelial growth factor (VEGF)をはじめとした血管新生促進因子とthrombospondin (TSP)などの血管新生抑制因子の産生とその発現調節を検討した。卵巣顆粒膜細胞、子宮内膜間質細胞および羊膜細胞を培養し、血管新生調節因子やサイトカイン・ケモカインの産生と調節について検討した。 卵胞液中にはVEGFをはじめとした血管新生調節因子が存在し、卵胞液は血管新生作用を認めた。また、macrophage colony-stimulating factor、monocyte chemoattractant protein-1やmacrophage inflammatory protein-3αなどの産生を認め、interleukin-1αおよびtumor necrosis factor-αによる刺激でMCP-1およびMIP-3α産生は増加した。 また、子宮内膜間質細胞においてはこれまでVEGFの産生調節を報告しているが、新たに血管新生抑制因子の検討ではTSP-1の産生はinterferon(IFN)-γで促進され、epidermal growth factor(EGF)で抑制された。また、medroxyprogesterone (MPA)とcyclic AMPで脱落膜化させるとTSP-1産生は促進し、ノーザン法で mRNAの・発現の促進が確認された。 羊膜細胞(WISH cells)ではEGFおよびIGF-1の添加でVEGF産生は促進し、さらにノーザン法でもVEGF mRNAの発現の促進が確認された。さらに、WISH cellsにEGFとIGF-1を添加してMAP kinaseとAktのリン酸化をwestern immunoblot analysisにより解析し、さらにVEGF産生の変化を検討した。WISH cellsにおいてはEGFおよびIGF-1の添加でVEGF産生は促進し、MAP kinaseおよびAktのリン酸化が認められた。また、EGFおよびIGF-1にMEK阻害剤(UO126)やPI-3kinase阻害剤(wortmannin)を添加するとそのリン酸化は抑制され、VEGF産生も減少した。 以上のことより、卵巣・子宮内膜・胎盤組織においては血管新生調節因子やサイトカイン・ケモカインが発現しており、組織の血管新生の調節に重要な役割を演じている可能性が示唆された。
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