研究概要 |
1)PCRにより、IgG-IgEのキメラ遺伝子をpAN発現ベクターに組み込み、エレクトロポレーションにてSP2/0細胞に遺伝子導入した。この細胞をIMDM液中でFCsを枯渇させながら10日間培養し、Glutamaxで細胞を死滅させ、1〜2Lの上清を得て,抗ヒトIgE抗体カラムによりヒトIgG-lgEのキメラ分子を精製した。 2)ヒトB細胞をIgG-IgEのキメラ分子で前処理し、IL-4及び抗CD40抗体で刺激した。刺激後2日後と4日後にRNAを採取し、ε germline transcripts(εGTs)とswitch circle transcripts(CTs)の発現をそれぞれ検討した。刺激7日後、genomic DNAを用い、digestion-circularization PCR(DC-PCR)にて、IgEクラススイッチを観察した。ヒトB細胞において、IL-4及び抗CD40抗体刺激によるIε-Cμ,Iε-Cε2,Sμ-Sεは、GE2により濃度依存性に抑制された。ヒトB細胞において、IL-4及び抗CD40抗体刺激によるクラススイッチは、GE2により抑制されたが、sCD23にてこの効果は減少し、CD23依存性であることを確認した。 3)ヒトSμとSγの間にGFPを逆方向に存在させ、Sμ-Sγのrecombinationの際にはSV40 promotor、Sμ-Sγのinversionの際にはCMV promotorが働きGFPが発現するベクターをヒトB細胞株R2G6にエレクトロポレーションにて遺伝子導入した。IgG-IgEのキメラ分子を前処理し、IL-4及び抗CD40抗体で刺激し5日後に、flow cytometryにてクラススイッチを定量比較した。ヒトB細胞株R2G6を用いた実験でも、GFP陽性細胞数の割合は、5μg/mlのIgG-IgBのキメラ分子により有意に減弱することを確認した。 4)ヒトIgG-IgEのキメラ分子をヒトB細胞に処理し、IL-4及び抗CD40抗体刺激によるIgE産生抑制の効果を検討した。キメラ分子は濃度依存性に、5μg/mlから有意にIgE産生を抑制した。同様にIgG_4産生も抑制したが、IgA産生には影響を与えなかった。 5)ヒトIgE Fc-IgG Fcキメラ分子をヒトB細胞作用させるとERKのリン酸化が観察された。 6)ヒトB細胞にを用いて、IL-4及び抗CD40抗体刺激によるSTAT 6のリン酸化が,ヒトIgE Fc-IgG Fcキメラ分子により抑制された。
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