研究課題/領域番号 |
15591808
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻 純 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252448)
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研究分担者 |
伊藤 壽一 京都大学, 医学研究科, 教授 (90176339)
中川 隆之 京都大学, 医学研究科, 助手 (50335270)
内藤 泰 京都大学, 医学研究科, 講師 (70217628)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 脳の可塑性 / 前庭代償 / マウス / 免疫組織学 / c-Fos / 前庭破壊 / 舌下神経前位核 / 前庭動眼反射 / 神経積分装置 / 温度眼振 / 前庭動動眼反射 / 一側内耳破壊 / グルタミンレセプターδ2サブユニット |
研究概要 |
脳の可塑性による前庭器障害後の代償のメカニズムを知るために、マウスの一側の前庭破壊した後、神経細胞の活性化の指標であるc-Fos proteinを脳幹で免疫組織学的に検索した結果、舌下神経前位核(PrH)において、反対側に強い活性化が見られた。PrHは、前庭動眼反射(VOR)に必要な神経積分器の存在する場所と考えられていることから、前庭破壊後の代償期に同部に大きな変化が起きているとがわかった。 神経積分器のプログラム書き換えは視覚情報による補正が必要で、それには小脳の平衡線維-プルキンエ細胞シナプスの変化を含む、小脳の長期抑制(long term depression LTD)現象が重要な役割を担うと予想される。そこでLTDに必要なグルタミンデルタ2レセプターをノックアウトしたマウスを用い、機能的な面を観察するため、外耳道から冷水を注入し内耳三半規管を刺激し発現させた眼球振盪(温度眼振)に対する視覚の影響を調べた。前庭由来の眼球振盪は、正常では固視によって強く抑制されることが知られている。この機構は網膜上のずれ(retinal slip)が小脳のプルキンエ細胞に、登上線維を介して入力され、プルキンエ細胞からの出力が前庭神経核などに抑制的に働くことによるとされる。 その結果、ノックアウトマウスで視覚による抑制が見られなかった。このことから平行線維-プルキンエ細胞系が前庭情報と、視覚情報の統合に大きな働きをもつことが、機能的に明らかになった。
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