研究課題/領域番号 |
15591830
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 杏林大学 (2004-2005) 慶應義塾大学 (2003) |
研究代表者 |
井上 泰宏 杏林大, 医学部, 助教授 (60193611)
|
研究分担者 |
増田 正次 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20317225)
神崎 晶 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50286556)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 内耳 / ドラッグデリバリーシステム / 遺伝子治療 / 遺伝子投与 |
研究概要 |
3つの研究を主体に検討した。 1)内耳培養方法の検討 マウス・ヒトについて培養法の条件設定を検討した。過去のマウス内耳用の培養液などの文献に基づき、培養液を作成したが、そのままヒト前庭組織に用いる場合、組織障害が極めて強く、評価が難しいと考えられた。 2)動物(生体)内耳へのドラッグデリバリーシステム(以下DDSと略) 2-1)薬剤 モルモット内耳に対して、ナノテクノロジーを用いたドラッグデリバリーの1つであるキトサンを内耳に局所投与し、検討を加えたところ、極めて少ないキトサンが内耳に付着した。 さらに、現在モルモット内耳へナノサイズの分子と結合させ、内耳への取り込みを促進させるステロイドの局所投与を検討中であるが、ステロイドの内耳調節投与のエビデンスが乏しいため、ステロイドの効果を証明するような実験を重ねている(未発表データ)。 2-2)遺伝子 遺伝子組み替え実験の条件を満たした研究室で、マウスやモルモットに対してウイルスベクターの研究を行っている。リポーター遺伝子を内リンパ腔に直接投与した場合には支持細胞や血管条に遺伝子発現を認めた。また偶然であるが、中耳粘膜にも高率に遺伝子が発現することも判明した(投稿中)。 外リンパ腔である鼓室階に投与した場合は主として鼓室階の線維芽細胞に遺伝子発現させることが可能であった。投与による合併症あるいは鼓室階投与ではauditory brain response(ABR)上、聴力を悪化させることはなかったが、蝸牛管投与では著しく内耳機能が低下したことをABRで確認した。 3)臨床応用に向けたDDS 内耳DDSを臨床応用に向けて、新しい内耳用内視鏡下の薬物投与法を検討中である。この方法が確立されれば、上記で試行されている薬剤や従来から内耳に直接投与されていたステロイドなどの薬剤を明視下にて投与することが可能になり、難聴に対する治療効果を上げることが期待できる。
|