研究課題/領域番号 |
15591855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 (2005) 大阪大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
大路 正人 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252650)
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研究分担者 |
瓶井 資弘 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40281125)
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50294096)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
坂口 裕和 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80379172)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | plasmin / 硝子体手術 / 科学的硝子体切除 / 化学的硝子体切除 / プラスミン |
研究概要 |
プラスミンによる化学的硝子体切除の可能性を検討した。 まずヒト血漿から純度が高く、活性の高いプラスミンの精製を試みた。ヒト血漿をplasmin affinity cartridgeを用いて精製したプラスミノーゲンをストレプトキナーゼにより活性化し、活性プラスミンを得た。ヒト血液から精製された最終生成物は3.75U/mlのプラスミン活性を有していた。精製されたプラスミンは2次元電気泳動で単一のタンパクとして確認され、プラスミン以外のタンパクはほとんど検出されず、今回の精製法で、患者血液から非常に純度が高く、活性の高いプラスミンが簡便に精製されることが判明した。 プラスミンによる化学的硝子体切除術の有効性と安全性について白色家兎を用いて検討した。白色家兎の硝子体内に4U/0.1ml(4U群)あるいは1U/0.1ml(1U群)のプラスミンあるいはPBS/0.1ml(対照群)を注入した。投与前と投与翌日に、前眼部の細隙灯顕微鏡検査および眼底検査、ERG検査を行った。その後、眼球摘出し、組織学的に検討した。対照群では眼内に炎症を認めなかった。1U群では3眼中1眼に前房炎症を認めたが、硝子体混濁は認めなかった。4U群では前房炎症と硝子体混濁を全例に認めた。走査電顕による網膜表面の検討では、対照群全てに硝子体線維の付着を認めたが、1U群および4U群ではほとんど硝子体線維を認めなかった。RE染色ではいずれの標本にも網膜に異常を認めなかった。ERG検査では、注入翌日のA波の潜時および振幅には3群の間に差を認めなかった。注入翌日のB波の潜時および振幅においては4U群では対照群に比べ優位に低下していた。 本研究の結果、ヒト血液から高純度のプラスミンが精製可能であり、化学的硝子体切除に安全にかつ有効であることが判明した。
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