研究課題/領域番号 |
15591886
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
前田 貢作 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60332756)
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研究分担者 |
大北 裕 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40322193)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 気管移植 / 凍結保存 / 組織移植 / 気管狭窄症 / 小児 / 先天性気管狭窄症の治療 / 移植グラフトの発育 |
研究概要 |
目的: 同種気管グラフトは小児における臨床応用が少なく十分な成績を呈するには至っていないが、他の組織グラフトに比べてより生理的な気管形成が行える利点がある。しかしながら、凍結保存したグラフトはレシピエントに移植し生着しても、十分に発育せず、レシピエントの発育に伴って結果的に狭窄となることが判明した。そこで、冷凍保存した同種気管グラフトを脱細胞化し、組織工学的手法を用いることにより、自己組織に近い気管を作製することと、このグラフトが気管狭窄症に対して有効な治療手段となりうるのかを検討した。 方法: 成長期にある日本白色家兎から採取した気管組織を急速凍結し一定期間凍結保存した後、解凍し他の同日齢の家兎に気管グラフトとして移植した。凍結保存した組織の無細胞化をはかるため、放射線照射を追加した。また、血管新生を促す効果があると推定されるタクロリムスを補助的に使用した。気管移植はグラフトを端々吻合し、長期の生存と機能を評価した。以下の群に分け実験を行なった:I.未処置群、II.凍結グラフト移植群、III.凍結+放射線照射グラフト移植群、II+タクロリムス投与群、これらと、凍結をせず新鮮な自己気管組織を用いて移植した群とを比較検討した。これらの移植されたグラフトの性状を確認するために、4から8週以降に気管を摘出し検討を行なった。 結果: すべての移植群で家兎は正常コントロールと同等の発育を呈した。移植気管はすべて長期間の開存を認めた。移植気管は上記の手技を用いると生着するも、成長する事は出来ず、結果として狭窄を呈した。放射線照射群ではグラフトに高度の繊維化を認め、脱細胞化の影響によるものと考えられた。タクロリムス投与群ではグラフト周囲に明らかな新生血管の増生が認められた。慢性の拒絶反応を示す明らかな所見は認められなかった
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