研究課題/領域番号 |
15591934
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 松本歯科大学 (2004) 岡山大学 (2003) |
研究代表者 |
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | エナメル芽細胞 / ERK / MAP kinase / PD98059 / 細胞内情報伝達 / アポトーシス / EGF / CD44 / MEK / 免疫組織化学 |
研究概要 |
mitogen-activated protein (MAP) kinase系ERKのエナメル芽細胞分化における役割について明らかにする目的で、MAP/ERK kinase(MEK)-1阻害剤PD98059投与によるエナメル芽細胞の形態変化およびERK、MEK局在について免疫組織化学的に検索した。また、エナメル器を可溶化したサンプルを用いて生化学的にも検討した。抗pan ERK抗体を用いたWestern blottingにより44、42kDの陽性バンドが認められた。また、抗MEK抗体により45kD付近にMEK1,2に相当するバンドが認められ、エナメル器の細胞にERK関連タンパク質が発現していることが明らかとなった。PD98059投与により、1,3時間ではほとんど形態異常は認められなかった。6時間後になるとエナメル芽細胞の形態学的変化は主として移行期において顕著に認められ、エナメル芽細胞層は不規則になり、核濃縮を示す細胞死像が多数見られた。ERK局在は、移行期のエナメル芽細胞の遠心端に免疫反応の強い部位が認められ、免疫電顕的に、細胞間接着装置近傍にERKが局在することが確認された。ERKは細胞増殖、分化、アポトーシスに関連することが指摘されており、エナメル芽細胞の分化過程において、ERKは移行期におけるエナメル芽細胞のアポトーシス、形態変化に重要な役割を担っていることが示唆された。さらに、転写調節因子であるSpファミリーとNF-κBシグナル関連分子についても検討を加えた。これらの転写因子の局在は、エナメル芽細胞分化と密接な関連を示し、エナメル芽細胞の分化制御機構にはMAP kinaseのほかにも、いくつかの細胞内情報伝達系が関与していることが示唆された。
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