研究課題/領域番号 |
15591968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石川 康子 (2004) 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (40144985)
袁 振芳 (2003) 徳島大学, 歯学部, 助手 (80346600)
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研究分担者 |
飯田 博一 徳島大学, 歯学部, 助手 (10335797)
石川 康子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40144985)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | アクアポリン / 唾液腺 / 糖尿病 / ラフト / 細胞内移動 / 口腔乾燥症 / ガングリオシド / フロチリン / 小葉管導管 / 唾液 / グルコース輸送体 / オルガネラ / 管腔膜 / 基底側膜 |
研究概要 |
糖尿病による口腔乾燥症の発症機序をアクアポリン・水チャネル(AQP)5と糖輸送体(GLUT)の細胞内移動の破綻との連関性において検討した。共焦点顕微鏡観察において、健常ラットの耳下腺小葉間導管におけるAQP5は、無刺激条件下では細胞質にラフトとともに局在していたが、セビメリンによる刺激10分後には管腔膜で明瞭に増加した。糖尿病ラットではセビメリンによるこの増量が極めて曖昧であった。ラフトのマーカーであるGM1やフロチリンのセビメリン刺激による細胞内移動も糖尿病ラットでは曖昧となっていた。GLUT1〜7のうちGLUT1が耳下腺に発現していることを認めた。GLUT1は基底側膜に局在しており、セビメリン刺激で細胞内移動は認められなかった。AQP5の耳下腺におけるmRNAは糖尿病で増量していたが、AQP5の耳下腺における量は糖尿病で低下してした。耳下腺切片を10^<-5>Mセビメリンと反応後調製した管腔膜におけるAQP5量は対照群では約3倍の上昇が認められたが、糖尿病群ではほとんど上昇が認められなかった。TritonX-100不溶性画分(ラフト)のAQP5量は、糖尿病群で対照群に比し有意に低下したのみならず、セビメリン刺激により対照群ではこの画分のAQP5量が減量するにも拘わらず、糖尿病群では減量が認められなかった。インシュリンを4日間投与した後では、セビメリンの効果は健常ラットのそれと同じ程度まで回復した。以上のことから、M3-受容体刺激により誘導されるAQP5の細胞内移動が糖尿病ラットでは損なわていた。即ち、糖尿病において細胞内小器官のコンパートメンタリゼーションの破綻が起こり、刺激によりラフトが管腔膜側へ移動せずAQP5が細胞質のラフトに留まったままとなり、口腔乾燥症が発症するものと考えられた。糖尿病による細胞内小器官とAQP5のコンパートメンタリゼーションの破綻はインシュリン治療により改善された。糖尿病の治療薬と共にセビメリンを使用するとセビメリンは口腔乾燥症の治療薬として有効に作用した。
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