研究課題
基盤研究(C)
本研究課題は「体液性システインプロテアーゼインヒビターを網羅的に検索して歯科医療方面に役立たせること」を展望した。以下に研究成果を述べる。1.穀類(米、豆類、イモ類等)に含まれるシステインプロテアーゼインヒビターを検索する手法として二次元電気泳動-ゼラチンリバースザイモグラフィーを開発した。この手法により穀類には第4ファミリーのシスタチン以外の高分子量システインプロテアーゼインヒビターが検出された。一部の植物性システインプロテアーゼインヒビターは歯周病菌の増殖抑制作用を発揮する可能性がある。2.コシヒカリのカルスよりオリザシスタチンIIIを発見し、組換え蛋白質の作成にも成功した。このオリザシスタチンは最近になってイネゲノム計画から明らかにされたオリザシスタチンIIと同一であことが判明した。3.食用魚類の皮膚、筋肉、肝臓などに存在しているシステインプロテアーゼをスクリーニングするために二次元電気泳動-ゼラチン(蛍光合成基質)ザイモグラフィーの手法を開発した。この手法に阻害剤(CA-074やE-64)を導入すればプロテアーゼ活性の識別化が可能である。4.日本産ウナギの体表上皮細胞から分泌される粘液中に新型のシステインプロテアーゼインヒビター(Eel-CPI-1およびEel-CPI-2と命名)が存在することを発見したEel-CPI-1はウナギレクチンAJL2と同一である。Eel-CPI-2は分子量16kDaである。これらのインヒビターは抗菌活性を示し、生体防御に関与すると考えられる。5.組換えヒト唾液シスタチンがCD4陽性免疫細胞に対してインターフェロンγを誘導発現させることを発見した。6.ヒト唾液シスタチンSA1およびSA2のモノクローナル抗体の作成に成功した。7.枯草菌にヒト唾液シスタチンを工業的規模で生産(1リットル培養あたり約1グラム)させる手法を確立した。
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生化学 76巻・8号