研究概要 |
分泌穎粒および分泌小胞からの分泌について,モータータンパク質および細胞骨格を検討した。 分泌穎粒 (1)Myosin, ubiquitous kinesin(Kif 5B),およびDynein/dynactin p150/dynactin p50複合体の存在がわかった。これらのレールであるtuburinさらにactinも確認された。 (2)β-adrenergic刺激による分泌にはtuburinは関与せず,actinが関与していた。しかし,actin上のモータータンパク質は関与していなかった。すなわちβ-adrenergic刺激による分泌には細胞骨格およびモータータンパク質を介さない輸送系があることが示唆された。一方,muscarinic/nicotinic刺激による分泌には,tuburinおよびactinが関与し,tuburinについてはdynein/dynactin複合体が,またactinについてはmyosinが輸送タンパク質として関与することがわかった。これらの詳細はArch Oral Biol 49:975-82,2004に報告した。 分泌小胞 (1)Actin, tuburinおよびKIF5Bが検出された。KIFC2抗体により50kDAにバンドが検出された。Dynein複合体は検出されなかった。 (2)Actin重合阻害剤jasplakinolideに抑制されたがtuburin重合阻害剤であるcolchicineによってはほとんど抑制されなかった。また,myosinATPase阻害剤である2,3-butanediene monoximeによっても阻害されなかった。非刺激分泌はβ-adrenergic刺激およびmuscarinic/nicotinic刺激による分泌穎粒のexocytosisとは異なる機構であることがわかった。
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