研究課題/領域番号 |
15591990
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学・歯科放射線学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 茂 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70241338)
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研究分担者 |
山本 恒之 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80200822)
土門 卓文 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50217618)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 唾液腺 / 再生 / 細胞増殖 / アポトーシス / 唾液線 |
研究概要 |
【概要】本研究は、唾液腺の再生過程において腺実質細胞(腺房細胞、導管細胞、筋上皮細胞など)が細胞死(アポトーシス)や細胞増殖を起こしているのか、もしそうであれば、どの時期にどの程度起こっているのかを明らかにし、唾液腺組織再生過程における各種腺実質細胞の動態とその意義について解明することを目的としている。平成16年度では免疫二重染色(PCNAとアクチン)によって、筋上皮細胞の増殖活性について検索するとともに、各種線実質細胞の分裂像やアポトーシス像を電顕的に観察した。 【結果】増殖マーカーである抗PCNA抗体と筋上皮細胞のマーカーである抗アクチン抗体の両方に陽性を示す細胞は対照群および実験群の両方の顎下腺に認められた。実験群では、再生過程の各期間にダブルポジティブ細胞がみられたが、標識率を算出した結果、再生2日目から4日目において有意に高い値を示していた。最高値は4日目で6.31%であり、対象群では1.18%であった。再生過程を電顕的に観察したところ、腺房細胞や導管細胞の分裂像がしばしば認められた。また、両細胞のアポトーシス像も少数ながら観察された。このような所見は昨年度の実験においてみられたPCNAやTUNELに対して陽性を示す細胞が確実に細胞増殖や細胞死を起こしている細胞であることを裏付けるものである。一方、再生過程を詳細に観察した結果、導管の基底側に位置し、細胞内にミオフィラメントを含む細胞が細胞分裂している像を観察することに成功した。これは、筋上皮細胞の分裂像にほかならず、免疫二重染色のダブルポジティブ細胞が本当に増殖活性を有する筋上皮細胞であることを示す所見である。以上の結果より、唾液腺の再生過程には、腺房や導管においては細胞増殖だけでなく、アポトーシスも関与していること、従来疑問視されていた筋上皮細胞の分裂・増殖も確実に再生に関与していることが明らかとなった。
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