研究課題/領域番号 |
15592027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
豊岡 広起 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (30285530)
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研究分担者 |
斉藤 隆史 (斎藤 隆史) 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 石灰化誘導 / pH / 誘導活性 |
研究概要 |
これまで我々は、結合型象牙質リンタンパク質や不溶性象牙質基質を準安定溶液に浸積ずると再石炭化が観察されることを報告してきた。しかし、我々の石灰化実験系において石灰化物が誘導される際のpH変化と石灰化誘導の関係については詳細に研究されていない。そこで、agarose beadsに不動化したリンタンパク質が石灰化を誘導する際のpH変化を経時的に測定することにより、石灰化誘導における電気化学的評価法の有用性を確認し、種々の条件下におけるリンタンパク質の石灰化誘導活性を比較するために以下の実験をおこなった。まず、リンタンパク質として、卵黄由来のphosvitinを用いて、agarose beadsに架橋結合し、phosvitin agarose beads複合体を得た。これを37℃にて3種の飽和度を有するカルシウムーリン酸溶液中でインキュベートした。実験はポリプロピレン製チューブを用い、石灰化溶液にphosvitinを加え、撹拌子により恒温機能付きマグネチックスターラーを用いて撹拌しながら行った。pH変化をpHメーターにより経時的に測定し、収録ソフトによりPC上に保存した。同時に誘導されたミネラル中のカルシウム量を原子吸光計を用いて測定した。その結果、3種類の飽和度のリン酸溶液中で、それぞれインキュベート開始後約2.5時間、3時間、5時間後からpHの低下が観察された。同様に原子吸光計を用いたカルシウムの測定結果でもpHの低下時間後からカルシウム量が上昇し石灰化誘導が確認された。この結果から、石灰化誘導時間とpHの低下開始がほぼ一致していることが確認された。これにより従来のカルシウム量を測定し石灰化誘導時間を決定する方法に比べ、より簡便かつ精密に石灰化誘導能を評価できることが示唆された。しかし、石灰化溶液中への、pH電極内部液の滲出により、石灰化が抑制されることが懸念されるため、この点について更に検討を行った。その結果、石灰化溶液中に電極内部液が滲出し、明らかな液面の上昇が確認された場合には石灰化誘導が抑制されることが確認できた。
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