研究課題/領域番号 |
15592035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
秋本 尚武 鶴見大学, 歯学部, 講師 (40184113)
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研究分担者 |
横山 元 鶴見大学, 歯学部, 助手 (70343639)
英 將生 (英 将生) 鶴見大学, 歯学部, 助手 (80329226)
飯田 麻理子 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00386913)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | セルフエッチングシステム / 超微小硬さ測定 / 微小引張り試験 / アルゴンイオンエッチング / FE-SEM観察 / 接着メカニズム / 象牙質接着界面 / ナノ領域 / 硬さ分布 |
研究概要 |
レジン接着システムの象牙質への接着メカニズムを解明することを目的として、市販されている入手可能な2ステップ、1ステップセルフエッチングシステムそしてワンボトルセルフアドヒーシブ製品に関して硬さ、接着強さ、そしてSEM観察による評価を行った。硬さ測定では、レジン-象牙質接着界面の特にボンド層の硬さに注目し、超微小超微小硬さ測定機ENT-1100aを用いたナノ領域の超微小硬さおよび硬さ分布を求めた。ボンド層の硬さは、システム間による差はあまり認められず、水やアルコールあるいはアセトンなどを溶剤として含むワンボトルセルフアドヒーシブにおいても2ステップシステムのボンドと有意差は認められなかった。 接着強さに関しては、ヒト象牙質を対象とした接着強さの評価を微小引張り試験法により行った。接着強さは、2ステップシステム製品が最も高い値を示したが、ワンボトルセルフアドヒーシブにも2ステップに匹敵する高い接着強さを示すものが存在した。なお、接着強さとボンド層の硬さとの関係については今後さらに検討が必要であることが示唆された。 レジン接着システムの接着界面におけるナノ領域の超微構造については、アルゴンイオンエッチング法を応用したFE-SEM観察により詳細に観察した。アルゴンイオンエッチングにより接着界面には網目状構造が観察されるが、この網目状構造について詳細に観察した後、セルフエッチングシステムの象牙質接着界面の観察を行った。セルフエッチングシステム、特にワンボトルセルフアドヒーシブの象牙質接着界面には非常に幅の狭い300-500nm程度の樹脂含浸層が観察され、これまで接着メカニズムとして考えられていた樹脂含浸層による機械的嵌合の接着とともに、接着強さを発現する他のメカニズムについても検討する必要があることが示唆された。本研究より、象牙質接着のメカニズムの解明までには至らなかったが、レジンと象牙質の接着について一部成果が得られた。
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