研究分担者 |
小松 正志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10005069)
遠藤 英昭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80168830)
佐藤 正明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111371)
佐々木 具文 東北大学, 病院・助手 (40323034)
益田 義治 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (20118673)
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研究概要 |
1)片側処置の片側性下顎遊離端義歯装着模型,2)両側処置の両側性下顎遊離端義歯装着模型の2種類を製作しその時の支台歯は有髄・無髄で,支持歯槽骨は1)健常,2)垂直性骨欠損,3)水平性骨欠損,の3種類とした.そして1)補綴学的アプローチである支台築造,と2)歯内療法的アプローチである根菅治療や根管充填処置,それぞれに着目し,支台歯内部の荷重伝達特性の様相を,擬似三次元光弾性法と10μs〜100μs間隔での撮影可能な高速光弾性実験法,および3次元有限要素法を用いて調査した.結果は以下の通りであった.1)片側処置の片側性下顎遊離端義歯:3種類の支台装置(RPI,パラレロミリング,コーヌスクローネ)を用いた場合,荷重方向によって荷重伝達特性は異なった.またRPI支台装置が一番良好な荷重伝達特性を示した.2)両側処置の両側性下顎遊離端義歯:RPI支台装置では,水平性骨欠損で強い応力の出現を示した.また連結歯数は2歯連結と3歯連結の間で変化が大きく,3歯連結の重要性が認められた.3)両模型において共通に以下の傾向が観察された. (1)支台歯が無髄歯でメタル・コアーを用いた場合,有髄歯と比べてメタル・コアーの先端部と歯頸部付近での応力集中が強く認められた. (2)支台歯が無髄歯で既製金属ポストを用いた場合,垂直方向荷重時では遠心歯槽骨部分,歯頸部および金属ポストの先端部分さらに根尖部付近にも広範囲で応力集中が観測された. (3)側方加圧根管充填時に用いる形状を変えたスプレッダーよる影響:垂直荷重時では根尖部周囲へ応力が集中し,先端形状の影響が観測された.またサイズが増加するに伴い出現した応力範囲も増加した. (4)衝撃光弾性法での実験から,カラーでの撮影が良いこと,撮影間隔は10μsでの撮影が良好であること,撮影時間は100μs〜200μsまでで十分であること,光弾性感度の良い材料を用いること,などが示唆された. (5)光弾性法で得られた結果と有限要素法の解析結果はほぼ一致していた.
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