研究分担者 |
西川 啓介 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10202235)
竹内 久裕 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10222093)
薩摩 登誉子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80335801)
中野 雅徳 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (30136262)
坂東 永一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00014168)
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研究概要 |
I.目的 本研究の目的は歯科用金属アレルギーの疑いをもつ患者群と,健常者群において口腔内に装着された金属修復物の種類とその溶出傾向について比較検討することにある.また患者群においてはパッチテストによるアレルギー陽性金属の種類と,口腔内金属の溶出傾向の関係についても検討を行った. II.方法 平成15年12月より平成16年6月の間に歯科用金属アレルギーの疑いで徳島大学病院第二補綴科を受診した患者のうち,本研究の主旨を説明し,同意の得られた患者23名と,対象群として健常者ボランティア23名を選択した.両群において口腔内診査とDMAメータ(モリタ社,Dental Metal Activity Meter JS2002)を用いて口腔内金属の起電力を測定するとともに,患者群においてはパッチテストを用いてアレルギー陽性金属の判定を行った. III.結果と考察 DMAメータによる口腔内金属の溶出傾向はMetastable(中等度)を示した修復物が最も多く,ついでActive(不安定),Stable(安定)を示す修復物の順に多く認められた.金属の種類ではアマルガムとNi-Cr合金製の修復物においてActiveを示した例が多く,白金加金やBond-HI-Precious合金製の修復物ではStableを示す例が多く認められた.また金銀パラジウム合金,Co-Cr合金,金合金,銀合金製の修復物においてはMetastableを示す割合が多かった. パッチテストにより判定したアレルギー陽性患者群を,健常者ボランティアとアレルギー陰性患者を合わせた対象群と比較すると,アレルギー陽性患者群においてBond-HI-Precious合金製の修復物にActiveを示した例が多かった. 今回の調査では,患者数の不足により口腔内金属の溶出傾向とアレルギー症状との関係を調べることは困難であった.今後さらに症例数を増やし検討を進める予定である.
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