研究課題/領域番号 |
15592102
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
|
研究機関 | 福井大学 (2004) 福井大学(医学部) (2003) |
研究代表者 |
佐野 和生 (2004) 福井大学, 医学部, 教授 (20145270)
小川 透 (2003) 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (10291379)
|
研究分担者 |
三好 憲雄 福井大学, 医学部, 助手 (40209961)
小笠原 利行 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (20260565)
佐野 和生 福井大学, 医学部, 教授 (20145270)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | ラマン顕微分光法 / 虫歯 / 唾液分析 / 唾石分析 / リン酸カルシュウム / リン酸基(P=0)の振動 / フーリエ変換赤外(FT-IR)顕微分光法 / タンパク質二次構造成分比率 / ラマン分光法 / 分子のfingerprint / マッピング |
研究概要 |
分光学的診断技術の中には、蛍光分光診断法や可視領域の色素による生組織の染色診断法が、検査法の一つとして汎用されている。今回提案の分光学的診断技術は、肉眼では不可視の赤外線領域で観測してこれを分光学的に可視化して、診断の一手段として提示できるような基礎研究と応用研究をすることを目的とした。その結果、2年間の研究期間で得られた主な研究成果を以下に列挙する。 [1]虫歯のラマン顕微分光計測:(i)リン酸カルシュウム由来P=0の振動ピーク(960cm^<-1>)面積で歯のエナメル質と象牙質の境界をマッピングした結果、エナメル質でのリン酸含量が象牙質領域に比べて優位に多かったので、その境界のコントラストが得られた。(ii)また、虫歯で僅かに変色したフ蝕領域においてはエナメル質や象牙質であれ、リン酸基成分の脱落が顕著であり正常歯質との境界を本ラマン分光計測により容易に識別可能であることを提示できた。(iii)さらには同視野における走査電子顕微鏡とX線元素分析により、電子顕微鏡像にリン(P)とカルシュウム(Ca)原子の最外K殻の電子スペクトル分析像をスーパーポーズした像からも、正常歯質領域のエナメル質と象牙質の境界におけるリン酸カルシュウム含量のコントラストが得られたが、エナメル質におけるリン酸含量の濃度分布は全く見られず、エナメル質内に一様な分布であった。 [2]唾石のラマン顕微分光計測:(i)唾石のラマン顕微分光スペクトルの計測により、石灰化由来のリン酸基(P=0)振動吸収ピーク(960cm^<-1>)が観測され、そのマッピング像により石灰化はリング状に形成され、その核となる部分は大きく欠損していることが判明した。(ii)唾石形成した患者の唾液をフーリエ変換赤外(FT-IR)分光光度計に連動した全反射装置の窓上で唾液中タンパク質の2次構造成分比率を乾燥経過で計測の結果、βシート構造成分比が正常人の唾液と比較して優位に増加していた。
|