研究課題/領域番号 |
15592110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
美藤 純弘 (2004) 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20240872)
糀谷 淳 (2003) 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60304325)
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研究分担者 |
宮脇 卓也 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00219825)
松雄 龍二 (松尾 龍二) 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30157268)
美藤 純弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20240872)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 吸入麻酔薬 / セボフルラン / 下部食道括約筋 / 一酸化窒素 / 全身麻酔 / 嚥下 / NMDA受容体 / 消化管平滑筋 / 胃食道逆流 / 下部食堂括約筋 |
研究概要 |
下部食道括約筋は通常は収縮し胃内容物の逆流を防いでいるが、嚥下にともなって弛緩し食塊等を通過させる.一般的に全身麻酔後には嚥下機能や気道防御機能が障害されることが知られており、下部食道括約筋機能も影響を受ける可能性がある.一方消化管の筋層間神経叢には末梢性NMDA受容体が分布することが知られているが、その生理的役割は明らかでない.本研究はウサギ等尺性張力変化測定モデルを用い、吸入麻酔薬セボフルランが内因性NOを介する非アドレナリン非コリン作動性(NANC)弛緩反応に及ぼす影響およびNANC弛緩反応における末梢性NMDA受容体の役割について検討した. セボフルランは濃度依存性にNANC弛緩反応を抑制した.NMDA受容体拮抗薬MK801は、筋肉中cGMP濃度低下を伴ってNANC弛緩反応を抑制した.NMDAはcGMP濃度の上昇を伴って筋肉片を弛緩させ、NMDAによる弛緩反応はMK801により拮抗された.また非特異的NO阻害薬N^C-nitro-L-arginineはNMDAによるcGMP濃度の上昇を抑制した.MK801によるNANC弛緩反応抑制の用量反応曲線は、SODによって回復(右方移動)した.内因性NOを保護するとされるCu/Zn SODを不活化すると、pyrogallol、ケタミン、MK801によるNANC弛緩反応抑制の用量反応曲線は左方移動した. 今回の研究成果は、吸入麻酔薬を含む各種麻酔薬が末梢性NMDA受容体を介してNO作動性弛緩反応を変調させることにより、下部食道括約筋機能に影響を与える可能性を示唆している.筋層間神経叢のNMDA受容体とNO-サイクリックGMP経路を介したシグナル伝達力機能的に連携して下部食道括約筋の弛緩をもたらす事実は、消化管運動の調節における興奮性アミノ酸および内因性NOの役割を明らかにする上で重要な鍵になると期待される.
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