研究課題/領域番号 |
15592145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
土屋 博紀 朝日大学, 歯学部, 教授 (30131113)
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研究分担者 |
溝上 真樹 朝日大学, 歯学部, 助教授 (10231614)
永山 元彦 朝日大学, 歯学部, 講師 (50298436)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 麻酔薬 / 飲酒 / 効果減弱 / 相互作用 / β-カルボリン / 膜流動化 / 毛髪分析 / 薬理学的機序 / β-カルボリンアルカロイド / 膜流動性 / 生体膜マイクロドメイン / 立体異性体 / コレステロール / 生体膜流動性 / リポソーム / 麻酔効果減弱 / 膜流動性変化 / 局所・全身麻酔薬 / 哺乳類アルカロイド |
研究概要 |
飲酒に伴う局所ならびに全身麻酔薬の効果減弱に関し、その予測も視野に入れながら、飲酒に関連して生体内で増加する哺乳類アルカロイド:β-カルボリンとの相互作用に基づく薬理学的背景を追究した。さらに、研究過程で得られた知見に基づき、他の要因による麻酔効果の変化や生体膜-薬物相互作用へと研究を発展させた。 1.β-カルボリンは膜脂質に作用し、局所・全身麻酔薬による生体膜流動化を抑制した。この抑制は、β一カルボリンの肝水酸化代謝で消失した。飲酒に伴い生体内濃度が高まる膜活性β-カルボリンが麻酔薬と相互作用するため、麻酔効果が減弱すると考えられる。 2.開発したHPLCの応用実験において、慢性的飲酒患者でβ-カルボリンの毛髪中濃度が有意に高かった。毛髪分析により、麻酔薬との相互作用が予測できる可能性がある。 3.種々の局所麻酔薬で、逆相分配HPLC保持-膜活性相関が成立した。疎水性相互作用に基づき、麻酔効果の変化をHPLCでシミュレートできる。 4.疎水性相互作用が持続薬液注入用バルーンでも起き、局所麻酔薬は注入直後からバルーン表面に吸着した。この吸着特性は、臨床効果への影響も考慮する必要がある。 5.薬物性膜流動化は、酸性条件下でも起こり、炎症性Peroxynitriteによって抑制された。炎症に伴う局所麻酔効果減弱の従来の仮説と矛盾するため、新しい理論立てが必要である。 6.リドカインのイオン型四級アンモニウム誘導体も有意に、ブピバカインとロピバカインのS(-)-/R(+)-/ラセミ体も立体特異的に、神経細胞モデル膜を流動化した。イオンチャネル/受容体に加えて、膜脂質二重層との相互作用も局所麻酔に関与する。 7.麻酔薬と関連した薬物:新規β遮断薬ならびにフェノール性薬物も、構造特異的に膜活性を示した。薬理学的作用機序の少なくとも一部に、膜流動性修飾が含まれる。
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