研究課題/領域番号 |
15592155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
本橋 信義 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (10134735)
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研究分担者 |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30221857)
川元 龍夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50323704)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 顔面運動の三次元解析 / 顎変形症 / 外科的骨切り術 / 形態変化と機能変化 / 顔面運動の三次元解析システム / 顎矯正手術 / 顔面運動変化の動的解析 / 骨切り術 |
研究概要 |
1.システム開発:ビデオカメラを用いた運動画像追跡装置を用いて、口唇計測部位に表面電極を添付し、音声資料を同時収録する事により、発声時の口唇運動軌跡、口輪筋筋活動、音声資料の統合解析を可能とする顔面運動三次元計測システムを開発した。口唇運動解析は、眼角部に三次元直交座標系を設定した頭位補正ソフトウエアを構築し、口唇運動の個体内時系列解析と個体間比較が可能となった。本システムの計測精度平均は、X軸、Y軸、Z軸いずれも0.6mm前後で、計測装置の機械的精度を反映するものであった。 2.顎変形症患者における手術前の顔面運動の動的解析ならびに機能との関連:母音/a/発音に伴う口唇部の運動軌跡について、一般成人を対照群として作成した平均軌跡パタン上に、顔面非対称と下顎前突を呈する顎変形症患者の口唇運動軌跡パタンを投影すると、下唇正中点および患側口角点の運動軌跡に偏位を認めた。口輪筋筋活動解析および音声解析においては、特徴的所見を認めなかった。 3.顎変形症患者における手術前後の顔面運動の動的解析ならびに形態との関連:顔面非対称と下顎前突を呈する顎変形症患者の母音/a/発音における手術に伴う口唇部の運動軌跡変化を検討した。術前、下唇正中点および患側口角点の運動軌跡に偏位を認めたが個体間変異を認め、顎顔面硬軟組織の個体間変異との関連が示唆された。手術後、硬軟組織の改善とともに、口唇部の運動軌跡も改善したが、対照群の平均軌跡パタンに比較して、運動軌跡の偏位が残存した。顔面非対称患者の顎矯正手術は、硬軟組織量の左右差の改善に限界が有ることから、症例によって口唇運動軌跡の改善は極めて困難な事が示唆された。以上、顎変形症患者の口唇運動の病態の特徴が明らかにされるとともに、手術にともなう口唇運動の変化が定量的に把握され、本システムの臨床的有用性が示唆された。
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