研究課題/領域番号 |
15592163
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
坪井 佳子 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50325122)
|
研究分担者 |
山本 照子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00127250)
菅原 康代 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70379775)
大矢 伸治 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員
宮本 学 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40252978)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | メカニカルストレス / 歯根膜細胞 / アポトーシス / マクロアレイ法 / クローン |
研究概要 |
矯正治療においては、メカニカルストレスにより歯の移動が行われるが、メカニカルストレスが生物学的反応に置換されるメカニズムについては、不明なままである。そこで、これを解明する手がかりを得るために、メカニカルストレスにより歯根膜細胞に誘導される遺伝子の同定を試みた。 平成15年度には、矯正治療上、抜歯が必要と診断された患者に実験の趣旨を説現して同意を得た後、同歯の歯根膜を用いて、Flex bottom plateのシリコン膜上で細胞をアウトグロースさせた。これにより得られた歯根膜初代培養細胞に対し、持続的伸展力を、1時間、6時間、24時間負荷した後、総RNA約3μgを各々回収・精製した。これらを逆転写してcDNAを合成し、これを^<32>Pでラベルして、マクロアレイ法にて遺伝子発現の差を網羅的に検討した。その結果、遺伝子発現が最も大きく変化するのは、伸展力負荷後1時間で、その後、次第にコントロールと発現差がなくなることがわかった。 メカニカルストレスに反応して発現の変動を認めた遺伝子として、サイトカイン、ホルモン、細胞外マトリックス、細胞膜上蛋白の他、アポトーシス誘導遺伝子、あるいは細胞周期調節遺伝子等が挙げられた。これらの遺伝子のうち数種類について、quantitative RT-PCRにより定量的に遺伝子発現の差を調べた結果、マクロアレイ法で得られた結果が信頼できるものであることを確認した。 平成16年度には、平成15年度の実験の再現性を確認するため、異なる5人の患者から歯根膜を採取し同様に実験を行った。その結果、細胞膜上蛋白遺伝子の変動に関しては、いずれも同様の傾向を示したが、それ以外の遺伝子発現に明らかな再現性はないことがわかった。これは、ドナー間の差異あるいは、多様な細胞集団を有する歯根膜の特性によるものと考えられた。 また、メカニカルストレスを付与した歯根膜の初代培養細胞に、実際にアポトーシスの実行が行われているかどうかを確認するため、DNA ladder detection法、TUNEL assayを行ったところ、アポトーシスの所見は認められなかった。更に、メカニカルストレスにより最も発現が誘導された遺伝子発現の経路をウエスタンブロット法及び阻害実験にて検討した結果、少なくともp38MAPKを介する事がわかった。 これらのことより、メカニカルストレスにより歯根膜細胞に誘導される遺伝子について、重要な手がかりが得られた。
|