研究課題/領域番号 |
15592228
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎看護学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
岡本 恵里 岐阜大学, 医学部, 講師 (20307656)
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研究分担者 |
竹内 登美子 岐阜大学, 医学部, 教授 (40248860)
足立 みゆき 岐阜大学, 医学部, 助手 (20263494)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アドボカシー / がん看護 / ジレンマ / 看護倫理 |
研究概要 |
本研究は、がん患者に関わる看護者のアドボカシー(患者擁護)の実態を調査し、臨床現場で悩む看護者のためのカウンセリングシステムの確立に向けての課題を見いだすことを目指している。 本年度は、病棟師長から優れた看護実践を行っていると認められているがん看護の経験(5年以上)を持つ臨床看護師を対象に半構成的面接を実施し、がん看護に関わる看護者のアドボカシーの意識や経験内容、課題を抽出し、質的帰納的分析を行った。その結果、がん看護を実践している看護者は多くのストレスにさらされ、ジレンマを抱えていた。看護者は患者の死を看取ることによる辛さに加え、特に医師-看護者との伝統的な主従関係からくる多くの問題や、患者-家族-医師間の治療に関する意見の不一致に看護者が板挟みになるケースも多かった。さらに患者のアドボケイトとしての役割が果たせていないことにジレンマしていることが明らかになった。そのため看護者は「バーンアウト」に陥ったり、愚痴を言うか深く考えないといった「回避的な対処行動」をとっていた。また倫理的問題が解決しない理由を「業務の多忙さ」、「自分の努力の足りなさ」、「問題解決能力の低さ」を挙げ、自己を責める傾向があることも示された。さらに自らの問題解決のためには、職場におけるシステムや看護実践を改善していくことの必要性を認識している看護者もいるが、行動を起こすには至っていない現状がみられた。以上のことからがん患者に関わる看護者を対象に、アドボケイトとしての役割を遂行し、より質の高い看護を実践できるよう、外部コンサルタントとしてカウンセリングを通し、個々の看護者自身による「セルフケア」、上司による「ラインによるケア」、「院外の専門家によるケア」のシステムを構築していくことで、看護者のメンタルヘルスケアをサポートしていく必要性が示唆された。
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