研究分担者 |
塩川 満久 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (60263654)
高辻 功一 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (70127249)
網島 ひづる 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (90259432)
青井 聡美 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (10321217)
森木 ゆう子 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (70374163)
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研究概要 |
本研究の目的は,片麻痺患者に対するベッドから車椅子への移乗介助において,被介助者と介助者との体格差が大きい場合の安全で効率的な介助方法を見つけることである。分析方法は,介助動作をビデオに録画し,三次元動作解析システム(VICON512+Force Plate)を用いた。 1.熟練看護師の車椅子移乗介助動作の分析 熟練看護師の介助動作分析からは,看護師の腰痛を予防しつつ,患者の自然な動きに沿った立ち上がり介助,立位での方向転換の介助,立位から座位への介助の具体的な方法が抽出できた。 2.看護学生の車椅子移乗介助動作の分類 看護学生を対象として,ベッド上端座位の片麻痺模擬患者を立位へと介助する動作を動作解析した。その結果腰を伸展させながら介助するタイプ),上に持ち上げるリフティングタイプ,膝を曲げながら介助するタイプなどに分類された。 3.介助者と被介助者との身長差がある場合の車椅子移乗介助動作の分析 介助者と被介助者との身長差が大きい場合に,熟練看護師の立ち上がり介助モデルを指導し,その効果を検討した。「構えの時点」において,身長が低い方の顎を相手の肩の上に位置させてから,立ち上がり介助を行うと,身長が低い方の立位姿勢が不安定となることがわかった。また,熟練看護師の動きを模倣することで,被介助者の自然な立ち上がりを介助でき,腰への負担が軽減されていた。 4.ベッドの高さの違いによる立ち上がり介助時の介助者の腰部への負担 ベッドの高さを被介助者の下腿の長さの120%,140%,160%にそれぞれ調整し,そのときの介助者の腰部への負担を観察した結果,140%のベッドの高さが最も好ましかった。 被介助者と介助者の体格差が大きい場合は,ベッドの高さなどを調整し介助する環境を整え,被介助者の自然な立ち上がりを介助する熟練者が行う介助方法を取り入れることで,安全で効率的な車椅子移乗介助ができることが示唆された。
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