研究課題/領域番号 |
15592319
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
半澤 節子 長崎大学, 医学部, 講師 (50325677)
|
研究分担者 |
太田 保之 長崎大学, 医学部, 教授 (50108304)
田中 悟郎 長崎大学, 医学部, 助教授 (00253691)
稲富 宏之 長崎大学, 医学部, 助手 (10295107)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 統合失調症 / 家族 / 介護負担感 / 介護意識 / 対処技能 / 情緒的支援 / 心身の健康 / 疾患や障害の理解 / 変容プロセス / 精神障害者 / 精神保健専門職者 |
研究概要 |
精神障害者の家族成員における介護負担感に影響を及ぼす要因について、計量疫学的に解析した結果以下のような結果が得られた。 第一に、家族成員間で比較した結果、介護負担感に関連する要因は家族成員間較差がみられた。たとえば、介護負担感の深刻さを決定づける要因は、父親と母親では全く異なっていた。たとえば、母親の介護負担感の深刻さに最も影響を及ぼす要因は、母親自身の社会的関心の乏しさ、精神障害者に対する威圧、介護状況へのあきらめであった。一方、父親の介護負担感の深刻さに最も影響を及ぼしていたのは、精神障害者の年齢が若いことであり、父親自身が精神障害であっても社会で普通に生活できるという認識の乏しいことが、介護負担感に最も影響を及ぼしていた。また、母親に比べて父親は、精神障害であっても地域社会で普通に生活できることへの理解が乏しかった。 従って、父親と母親の精神疾患・障害の理解における質的な違いに応じて、家族心理教育の内容を工夫し、とりわけ父親には、地域社会で普通に生活している精神障害者の理解を促すことが示唆された。 第二に、大都市、地方都市と農村部という地域間で比較した結果、(1)母親のあきらめは、精神障害者を威圧し回避するといった不適切な対処技能を引き起こすことは、いずれの地域にも共通していたが、いくつかの点で地域間較差がみられた。たとえば、(2)長崎県市部では、介護意識の乏しい母親ほど、精神疾患・障害の理解が乏しく、介護負担感が深刻で、社会的関心を失い、あきらめており、(3)長崎県(市部及び町村部)では、母親の介護負担感が深刻なほど、精神障害者に対して威圧や回避という対処がみられた。 従って、性別役割分業意識や家族扶養意識を背景とする社会的生活規範(介護意識)の地域特性を考慮し、家族成員に応じた支援が必要であると結論付けられた。
|