研究課題/領域番号 |
15592340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
井出 訓 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (10305922)
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研究分担者 |
森 伸幸 北海道医療大学, 心理科学部, 講師 (10295917)
山田 律子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (70285542)
萩野 悦子 (荻野 悦子) 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (10292070)
内ヶ島 伸也 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (80364264)
金城 光 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (00327298)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 物忘れ / 介護予防 / 高齢者支援 / メタ記憶 / 認知症 / 記憶 / 高齢者 / 自己効力感 / 予防 / 介入プログラム |
研究概要 |
平成15年度〜18年度において取り組んできた本研究では、その中心的な課題とする高齢者に対する記憶のトレーニングプログラム(物忘れ予防教室)の構築と地域におけるプログラムの展開を行ってきた。研究のスタート当初、教育的なプログラムの提供として進められてきた介入を、介護予防活動として地域において展開させていく中で、一つの課題としてヘルスプロテクションモデルから、ヘルスプロモーションモデルへのシフトの必要性、さらにはサクセスフル・エイジングの概念枠組みの中におけるプログラムの再構築の必要性が見出され、介護予防活動としての物忘れ予防教室の最終的な枠組みの構築と、およびそれに基づきプログラム内容の精査を行うことが必要と考えられた。研究報告のAとして示したプログラムは、本研究の最終的な形として構築されたプログラムである。また、最終的なプログラムが高齢者の内的な領域にどのような影響を与えているのかを報告Bにおいて記し、地域における介護予行活動としての効果を報告Cに示した。現在も物忘れ予防教室は、S市の市民カレッジという位置づけにおいて活動が確保されており、平成19年度以降の活動計画としても地域における活動として計画されている。平成15年度からの取り組みが、地域における活動として着実に根づきはじめていることが伺われる。 研究目標の一つとして掲げたものに、教室の効果測定にむけた記憶尺度の開発はあった。特に、われわれが開発した記憶の自己効力感尺度(EMSES)の改良と、日本語翻訳版として用いたMIA(Metamemory in Adulthood Questionnaire)の精度を高めると共に、MIA日本語短縮版の作成を行う計画を立てていた。EMSESの検討に関しては報告Dに、また短縮版作成にむけた日本語翻訳版MIA尺度の信頼性と妥当性の検証を報告Eにまとめた。MIAの短縮版の作成に関しては、分析結果を踏まえた高齢者を対象とするMIA日本語版の作成を行い、その上で短縮版を導き出していくことが今後の課題とされる。 本研究の課題として残されたことの一つに、認知症高齢者に対するプログラムの構築がある。本研究における物忘れ予防教室が、記憶力の実際的な改善に向けた介入プログラムという位置づけから、高齢者のエンパワーメントプログラム、さらには介護予防活動としての介入というスタンスに立つ対象者の内面的な変化を生み出すヘルスプロモーションへとその位置づけにシフトしてきたことがあり、認知症高齢者の記憶に対する介入プログラムの構築は、現在のところその予防的な側面においてのみの達成でしかない。すでに認知症を発症し、その記憶に問題を抱える高齢者を対象とした介入プログラムの構築に向けては、今後新たな課題として、別な概念枠組みからの立ち上げを進めていく必要があるだろう。
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