研究概要 |
1.目的 要介護認定者の実態と医療・看護・介護サービスの科学的根拠を得ることである。 2.対象および方法 郡上市において2003年4月から2004年12月までの21カ月の問で1回でも要介護認定審査会で認定された2,345人をベースラインとし、基礎データ分析と1年後の生存分析をした。 3.結果 (1)疾患 介護が必要となった主な原因は(1)循環器疾患,(2)筋骨格系及び結合組織の疾患,(3)精神及び行動の障害,(4)骨折を含む損傷,(5)神経系疾患の順であった。介護度が重度になるにつれて、割合が有意に高くなる疾患は脳血管疾患、認知症、呼吸器疾患で、低くなる疾患は関節疾患、糖尿病であった。認知症の有症率は男60.0%,女63.0%であった。症状の出現率が高い項目は、女は毎日の日課を理解できる,生年月日を言う,場所の理解,被害的,作話,幻視幻聴,同じ話をする,収集癖,火の不始末で、男は大声を出す,介護に抵抗するであった. (2)居宅世帯の介護保険サービス利用 サービスの利用は世帯人数が多くなるほど高くなっていた。単独世帯では訪問系サービスが、高齢者夫婦世帯では訪問系サービスが、3世代世帯では通所系サービスが多かった。短期入所は家族員が多くなるほど利用が多かった。 (3)1年目の生存 1年目の追跡結果は死亡363人(男153,19.0%,女210,13.7%),認定および認定更新中1968人(男650,80.5%,女1318,85.7%),転出9人(男1,女8),非該当5人(男3,女2)であった。死亡についてCox比例ハザードモデルを用いて年齢,介護度の調整をした結果は、女性1に対して男性は1.79と高かかった。介護度は要支援を1として,要介護5では男3.93,女3.59と高くなっていた。
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