研究課題/領域番号 |
15592350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 神戸市看護大学 (2005) 広島国際大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
稲垣 絹代 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (40309646)
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研究分担者 |
八木 正 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (80022101)
横藤田 誠 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (20212300)
鹿嶌 達哉 広島国際大学, 医療福祉学部, 助教授 (00284141)
平川 茂 四天王寺国際仏教大学, 人文社会学部, 助教授 (60258069)
島田 友子 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 講師 (80196485)
白井 裕子 愛知医科大学, 看護学部, 助手 (40351150)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ホームレス / 保健 / 労働 / 福祉 / 居住権 / 関係性 / 支援 / 権利 / 居主権 / 自立支援 / 当事者 |
研究概要 |
保健・医療・福祉の領域で、集中的に深刻な社会矛盾が現出している「非定住者」、その中でもホームレスとその支援者に焦点を当てて,実際的な問題解決の方法を明らかにしていくことが本研究の目的である。3年間の大阪、名古屋、北九州などにおける調査の結果、以下のことが明らかになった。 1.(1)憲法で保障された最低限の生活レベルに満たない生活問題、(2)福祉マンションの実態と一般アパート利用に伴う制限(保証人、礼金等)など住居問題、(3)生活保護を適用しない、相談に乗らない、専門的知識と技量がない福祉サービスの問題、(4)衣食住の確保と生活保護の適用に加え、就労支援に関する要望、(5)保険未加入や診療拒否により通院治療が困難な保健・医療問題、(6)入院治療における人権侵害(劣悪な病室、過剰治療等)などの医療機関利用に伴う問題、(7)野宿生活による健康侵害と慢性的病気、劣悪な労働条件によるけがと後遺症、一般薬品の不足などの身体・健康問題、(8)野宿生活による慢性的不安・恐怖と将来への絶望感、自己喪失感など精神保健問題、(9)公園・道路からの排除と施設収容を目指す福祉行政施策の問題点、(10)支援団体の人的・経済的困難と行政と連携したNPOの問題点などが明らかになった。 2.支援団体は、非定住者への一時的支援(炊き出し、衣類・薬品の提供)と就労・住居支援、行政機関と医療・福祉施設に対する人権保護の申請と監視、地域住民に対する交渉や啓発を通じて、非定住者を支援してきた。 3.今後は、早期受診や通院を可能にする医療システム、野宿者に対する適正な治療を可能とする病院の体制と行政の指導、居宅による生活保護や就労支援など利用者のニーズに応じた医療福祉サービスが求められる。その実現に向けて、利用者の多様なニーズと制度上の問題点を明らかにし、当事者・支援者・地域住民・行政による協力体制のあり方と福祉行政と医療機関の「専門職」育成の方法論などがあげられる。
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