研究課題/領域番号 |
15603007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞死(アポトーシス)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
八木 秀樹 近畿大学, 薬学部, 講師 (40250740)
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研究分担者 |
益子 高 近畿大学, 薬学部, 教授 (30157200)
中村 雅典 近畿大学, 歯学部, 教授 (50180394)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 上皮内リンパ球 / apoptosis / FK506 / 吸収上皮細胞 / nude mouse / scid mouse / Scid mouse / 腸上皮細胞 / 抗CD3抗体 |
研究概要 |
我々はマウスに抗CD3抗体を投与、小腸上皮内リンパ球(i-IEL)を活性化すると、小腸吸収上皮細胞にapoptosisを誘導できることを見出した。そこでi-IELがどのような機序で上皮細胞にapoptosisを誘導するかを明らかにすることを目的に研究を行った。まず、ラット系において、当研究室で作製された抗ラットCD3抗体(1F4)投与し、i-IELの活性化を引き起こすことで、投与30分後の上皮細胞のDNA断片化と2時間後の上皮細胞の剥離を認めた。さらに、マウス系では認められなかった杯細胞の増加と肥大も新たに認めることが出来た。 次に、マウス系において免疫抑制剤(FK506)を用い、上皮内リンパ球の機能を抑制し、その際の上皮細胞の機能の変動を検討した。FK506連続2週間投与により、上皮細胞のDNA断片化が絨毛の先端においても抑制されていた。上皮細胞のアミノ酸トランスポーターCD98発現が低下し、アルカリ性フォスファターゼ(ALP)活性の低下も認められ、さらには超微形態学的に認められるmicrovilliの異常など、明らかに機能低下した上皮細胞の残存が確認された。 i-IELが量的、質的に変化している免疫不全マウスを用いて、上皮細胞の形態学的、及び機能的変化を検索した。nudeマウスやscidマウスの吸収上皮細胞を検索したところ、上皮細胞微絨毛のALP活性の低下、CD98の発現低下などの機能低下や上皮細胞のintegrin α6発現低下に基づく、基底膜との接着性の低下も認められた。また、これらの形態、機能不全はscidマウスで特に著しかった。さらに、抗CD3抗体を投与すると、対照BALB/cマウスは水性下痢様症状を呈するのに対して、これら免疫不全マウスではこの症状が惹起されなかった。以上より、i-IELが腸上皮細胞のメンテナンスに重要な働きをもたらすことが示された。
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