研究課題
基盤研究(C)
1.肝臓や腎臓におけるアポトーシスの加齢変化をHE染色、TUNEL法を用いた組織染色により解析した。その結果、アポトーシス陽性細胞は加齢に伴い増加することがわかった。また、SMP30ノックアウトマウスでは早期からアポトーシス陽性細胞が出現してくることもわかった。加齢に伴うアポトーシス陽性細胞の増加はSMP30の減少によるためと考えられる。2.SMP30ノックアウトマウスの肝細胞はアポトーシスに対して非常に高感受性であった。電顕による細胞内微細構造の観察から、ミトコンドリアの著しい障害が観察された。即ち、ミトコンドリアが膨潤化し、クリステが非常に不明瞭であった。また、アポトーシス誘導時に観察されるミトコンドリアから細胞質へのチトクロームCの遊離が定常状態でも観察された。3.SMP30を高発現させたHepG2細胞では、TNF-αとアクチノマイシンDにより誘導されるアポトーシスに抵抗性を示した。また、SMP30高発現HepG2細胞では、生存シグナル系に働くAktの活性化(リン酸化)が強く起こっていた。これは、SMP30がAktを介する生存シグナル系に促進的に働いていることを示している。更に、カルモジュリン阻害剤のtrifluoperazineを同時に加えるとAktのリン酸化が強く阻害された。これは、SMP30がカルモジュリンを介して細胞内カルシウム濃度の調節を行い、カルシウム濃度の上昇が引き金となるアポトーシスの誘導を制御していることを示している。4.遺伝子の相同性解析からSMP30が高等生物におけるグルコノラクトナーゼ(GNL)であることが分かった。GNLはアスコルビン酸(ビタミンC)生合成系に働く重要な酵素である。従って、SMP30ノックアウトマウスはビタミンC欠乏マウスとなる。ビタミンCの欠乏はアポトーシスの誘導を促進する可能性が非常に高い。
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