研究概要 |
インターネット上に仮想的な地球惑星流体の「数値実験室」を構築することを目的として研究を遂行した. 必要なスペクトル法の開発という点においては,円盤領域における浅水方程式に対する全く新しいスペクトル法を開発し,2つの原著論文として発表した.この手法は,円盤領域の数値計算を行う場合に平面極座標を用いると原点で生じる特異性を回避するために動径方向の展開基底としてにヤコビ多項式を用いるもので,ベクトル場を直接展開することに新しさがある.また,1次元/2次元無限領域に対する新しいスペクトル法も開発し,現在論文を準備中である.この手法を用いて浅水系におけるジェットからの重力波射出実験を行い,重力波強度に関するパラメター依存性を調べて論文として投稿中である.開発した数値ライブラリは,http://www.gfd-dennou.org/arch/ispack/ispack-0.62beta.tar.gzに含めて公開している.さらに,これまでのスペクトル法の開発によって得られた知見をまとめて,和書としては殆んど初めてとなるスペクトル法の教科書も出版した. 仮想実験室環境の整備という点においては,新たに堅固なウェブサーバーを立ち上げ,開発された地球惑星流体計算のための一連の基本的なスペクトルモデルのソースコードと説明文書のみならず,典型的な例題の実行結果と解説とを整備し,http://www.gfd-dennou.org/arch/spmodel/において公開している.
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