研究課題/領域番号 |
15609003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幹細胞生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
末盛 博文 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (90261198)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ES細胞 / 胚性幹細胞 / 多能性 / LIF / STAT3 / 霊長類 / ヒトES細胞 / 未分化性 |
研究概要 |
マウスES細胞はLIF存在下で未分化状態を維持できるが、霊長類ES細胞の未分化状態の維持には支持細胞(フィーダー細胞)が必須であり、LIFは効果を持たない。本研究ではSTAT3ついてリン酸化型、非リン酸化型それぞれを特異的に認識する抗体を用いてウェスタンブロット法による解析を行い、LIF刺激による挙動を解析した。ヒトならびにサルES細胞を用いてLIF-STAT3情報伝達経路を調べたところ、予想に反しSTAT3はLIF刺激によってリン酸化され核内へ移行し、標的遺伝子の転写を活性化することがわかり、霊長類ES細胞においてLIF-STAT3シグナル伝達経路は機能していることが明らかとなった。そこで霊長類ES細胞の未分化性維持へのSTAT3の役割をより詳細に解析するため、ドミナントネガティブSTAT3を作製しその強制発現の効果を検討した。既に報告されているようにSTAT3は、二量体化に必須であるリン酸化部位に変異を入れることでドミナントネガティブ体として作用し、これをマウスES細胞に強制発現させた場合、LIFやフィーダー細胞存在下であっても未分化状態を維持することが出来ずすみやかに分化していく。一方、サルES細胞にドミナントネガティブSTAT3を強制発現させたところ、内在性STAT3のリン酸化や核移行ならびにSTAT3標的遺伝子の転写活性化はいずれもドミナントネガティブSTAT3によって阻害されているにもかかわらず、その強制発現株は形態学的にも未分化であり、またアルカリフォスファターゼ,SSEA-4,NanogやOct-3/4等の未分化マーカーの発現も認められ多分化能を維持していることが確認された。このことから、霊長類ES細胞の未分化性維持はマウスES細胞と根本的に異なりLIF-STAT3非依存的な機構を介していることが強く示唆された。
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