研究分担者 |
梶原 康宏 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (50275020)
橋本 康弘 理研フロンティア, 糖鎖機能部門, プロジェクトリーダー(研究職) (80164797)
石田 秀治 岐阜大学, 農学部, 助教授 (20203002)
平竹 潤 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80199075)
垣内 隆 京都大学, 工学部, 教授 (20135552)
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研究概要 |
(1)シアリル6-O-スルホルイスXを起点とするL-セレクチン依存性の新しい免疫制御機構の構造的基盤を解明するために、ラクタム化ノイラミン酸を含むガングリオシドGM4、硫酸化シアリルパラグロボシド、及び硫酸化/非硫酸化シアリルルイスXの系統的合成を行った。すなわち、ノイラミン酸の高効率的一段階ラクタム化は、デ-N-アセチルシアル酸(ノイラミン酸)を含むガングリオシドをあらかじめ合成し、DMF中65℃でHBTU/HOBtと反応させることにより高収率にて達成された。これらの人工ガングリオシドを用いて、(a)ラクタム化ノイラミン酸残基とGlcNAcの6-O-硫酸基の両者がG159抗体により認識されていること、(b)L-フコースはG159抗体による認識に本質的な寄与をしていないことを明らかにした(Carbohydr.Res.,333,2793,2003)。 (2)シアル酸認識レクチン「シグレック」の糖鎖認識特異性を解明するためにα-(2-3)/α-(2-6)-ジシアリルラクトテトラオシルセラミドの合成を行い(Carbohydr.Res.,338,501,2003)、シアロ糖鎖の構造的基盤に基づく「シグレック-7」の高次認識機構について調査した。X-線結晶構造解析により、α-(2-3)/α-(2-6)-ジシアリルラクトテトラオースが2つのシアル酸を介してクロスリンクすることを明らかにした(未発表)。 (3)ガングリオシドGT1bが有する分子内部のタンデムシアル酸は、2つの硫酸基によって代替され、白血球表面抗原CD38のNADase活性を強力に阻害することを発見した(Bioorg.Med.Chem.Lett.,13,3441,2003)。
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