研究課題/領域番号 |
15633001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
加茂 利男 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80047357)
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研究分担者 |
遠藤 宏一 大阪市立大学, 経営学研究科, 教授 (90103704)
重森 暁 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (70036581)
遠州 尋美 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (30168819)
中山 徹 大阪府立大学, 社会福祉学部, 教授 (40237467)
安本 典夫 立命館大学, 法学部, 教授 (20066723)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ガバナンス / パラダイム転換 / セクター再編 |
研究概要 |
本研究は,上記の研究課題にもとづく総合的学際研究を企画することを目的として取り組まれた。アメリカ合衆国調査(世界銀行の開発戦略の変遷とグッド・ガバナンス要求の持つ意味)、スウェーデン調査(ガバナンスシステムにおける北欧モデルの存在意義)、国内における自治体調査(都市計画・まちづくりシステムにおける公・私間関係、および、自立指向型小規模自治体の存在意義と自立の展望)、9回にわたる研究会(主として課題に関連する先行研究のレビュー)、総括シンポジウムを経て、次の結論を得た。 (1)「ガバナンス」は、政治・経済・社会のあらゆる分野で極めて広範囲に使用されているが、未だ確立した概念ではない。しかし、グローバル化による国民国家の相対化と財政ストレスの高まりのもとで、伝統的な公・私間関係の枠組みを超えた新たな社会統合の仕組みがもとめられていることは間違いなく、「ガバナンス」はそれにかかわる概念として重要な意義を持つ。 (2)ガバナンスシステムの変容における主要な側面は、新古典派アプローチを理論的バックボーンとして市場原理主義の浸透をはかるものであり、公共セクターの縮小、非営利・市民セクターおよびビジネス・セクターの拡大と競合として特徴づけられる。しかし、世界経済成長率の低迷、地域格差・経済格差の拡大、地球環境問題の深刻化を不可避的に伴うことから、常に強力な抵抗に直面せざるを得ない。北欧福祉国家モデルが有力な対抗軸として存在し続けているのはその現れであり、従って、ガバナンスシステムのパラダイム転換の方向性は未確定である。 (3)それゆえ、「国-地方圏-基礎自治体-近隣地区」にいたる空間軸、「公-共-私」の主体軸、政治・経済・生活・文化などの機能軸にそって、ガバナンスシステム転換のタイポロジーに取り組み、ガバナンス概念の精緻化を図ることための総合的学際研究を組織することが重要である。
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