研究課題/領域番号 |
15633002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
多和田 眞 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (10137028)
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研究分担者 |
酒井 泰弘 滋賀大学, 経済学部, 教授 (40093760)
氷鉋 揚四郎 筑波大学, 農林工学系, 教授 (90189762)
池田 三郎 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40026307)
松本 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
下村 和雄 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (60116217)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 環境リスク / 環境政策 / 戦略的貿易政策 / 環境汚染 / リスク管理 / ゲーム論 / 不確実性 |
研究概要 |
アジアにおける経済発展と国家間リスク管理の両立可能な経済政策としてどのような政策が実行可能でありかつ効果的であるかについての予備的考察を行った。このプロジェクトは3つのグループに分けて行った。第1グループ、アジアの環境・経済リスクの分析(池田、酒井、前田)では環境問題という視点からみた国家間リスクおよびリスク管理とリスクコミュニケーションの支援についての調査研究を行った。大気や海洋を媒介とする汚染物質の越境伝播による環境リスクの広がりと廃棄物の国家間移動の問題が今後の重要課題であることが認識された。第2グループ、アジアの貿易政策の分析(多和田、氷鉋、國崎)では戦略的貿易政策および一般均衡分析の手法によって遺伝子組替え食品などリスクを伴う財の貿易や国際間の労働移動が各国の経済厚生にもたらす効果の分析をおこなった。自由貿易地域協定の急速な進展とこうしたリスクをともなう国際貿易との関連についての研究が今後の課題として認識された。第3グループ、アジアの経済発展モデルの分析(下村、松本、大沼)では先進国から途上国へのトランスファーや国際公共財、国際的な外部性の問題が理論的に分析された。今後このような理論的分析が様々なリスクに直面するアジア途上国の経済発展にどのように適用可能かを考察していく必要があることが認識された。 自由貿易地域が急速に進展する中で、国家間の様々な交流を通して発生するリスクも急速に増大している。またこうしたリスクへの認識や捉え方は国家間で様々である。途上国では、環境による健康に対するリスク管理が今後一層重要になるであろう。また、日本などの先進国では新技術、新商品に伴うリスクと貿易のあり方が重要になるものと思われる。こうした国家間の立場の違いを超えて、途上国の経済発展と矛盾しないリスク対応のための経済政策の考察を進めることが今後の課題である。
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