研究課題/領域番号 |
15636025
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
地球・資源システム工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金田 博彰 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10092181)
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研究分担者 |
小林 祥一 倉敷芸術科学大学, 産業科学技術部, 教授
高木 秀雄 早稲田大学, 教育学部, 教授
正路 徹也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40011093)
加藤 淑史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50010989)
六川 修一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50183710)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 資源量 / 探査手法 / 鉱量 / クリテカル品位 / 悲観的な資源 / 耐用年数 / 資源消費量 / GDP |
研究概要 |
本年度の研究実施計画 人類が使用する鉱物およびエネルギー資源の量は幾何学的に増加している。この増加する資源量は、鉱物資源の場合採掘する鉱石品位を低下させることによって満足することになる。例えば、銅鉱床の場合この100年間に採掘対象となる鉱石品位は2〜3%から0.数%以下と、ほぼ1桁低下している。このことは、例えば1tの銅を確保するのに必要な鉱石量が50tから250tへ増加したことである。つまり、同じ量の銅を確保するだけでも、人工的バイアスの流速が5倍に増えている。しかも、実際には消費される銅量自体も増加するので、流速の増加量はさらに大きい。ところで、高価値鉱床と低価値鉱床を較べると、基本的には高価値鉱床からの採掘の方が環境負荷は小さい。この環境負荷の小さい資源を確保するためには、まず初めに高価値鉱床の地球科学的特長を抽出して、探査法を確立する必要がある。鉱床の品位をXとし、当該鉱床の鉱量をT(X)とすると、T(X)=ToEXP(-X/Xc)と表すことができる。ここで、Toは定数、Xcをクリテカル品位とする。鉱床中において、クリテカル品位以上で採掘する限りにおいては鉱石品位が低下しても獲得鉱量は上昇する傾向を持つ。一方、クリテカル品位より低い品位で採掘すると、鉱量の獲得に極めて困難な状態が生じる。前者のタイプに属する資源は少ないが、ニッケル、金、銀、白金などがある。一方、ほとんどの資源は後者のタイプに属するが、銅、鉛、亜鉛、ビスマス、モリブデン、タングステンなどは極めて悲観的である。悲観的な資源の耐用年数は、長くても50年である。耐用年数が長く、資源量としても期待できるものは、地殻存在度に比べ採掘量が少ない資源である。ニッケル、金、銀、白金などの他に、コバルト、鉄、アルミニウム、マンガンなどがある。1国家の資源消費量はGDPの上昇に比例する。GDP上昇に対して資源消費量は1.5倍である。現在、中国は米国に次ぐ資源消費国である。消費量が定常状態に達した日本を始め先進国と較べ、中国の資源消費量は上昇の一途を辿っている。GDP-資源消費量の関係を基に、統計的処理により中国が日本の現状にたどり着くためには20年ほどあると予測できる。今後、統合的に検討し、環境問題を主題とした資源確保手法を構築する必要がある。
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