研究概要 |
我々は毎日大量の文書を扱っている.その文書も単なる文書と,試験問題や解答のように,秘密裏に扱う必要のあるものもある.また,プライバシ保護の観点からも成績や学生に関する情報は取扱に注意が必要となる.そして,アクレディテーションのために保存しておき,求められればすぐ提示できるように普段から準備しておくべき文書も大部にのぼる.また,保存は無期限にできない.廃棄する際,鳥取環境大学では,紙も何種類かに分けて回収している.通常なら回収しないメモ用紙のような小さい紙も含めて回収するので,ある程度仕分けをして廃棄することになる.なかにはシュレッダーで切り刻む扱いのものもある.これを何年も経って,場合によると作成保管者とは別の人間が処理の仕方をいちいち書類を見て判断するのでは正しく判断できないし,その手間は耐え難いものになろう.そこで,廃棄して古紙として回収されるまでを想定し,かつ日常的に保管目的にあうように取り扱える仕組みを考え実際に導入することが求められる.これまでは個人の管理でなんとかなってきたが,アクレディテーション用の資料などは学科単位で保管する方が扱いやすくその意味では個人レベルを超えての管理体制を作らなければならない. そのための手段として,話題になっているRFIDの可能性に注目した.しかし,まだRFIDの機器やタグはまだ十分の性能や価格帯にはなっていない.研究の開始時にサンプルタグとリーダーを購入し,テストしてみたが,操作性はやや劣ると感じた.その後も新しい情報につねに注意を払い,RFID技術の動向を把握するように努め,試用システムを作るための機器を導入してみたが,これはまだ発展途上というのがこの2年間の研究での結論ということになった.しかし,最近ようやく比較的使いやすいリーダーが発売されたので,これを購入し今後実際に運用していきたいと考えている.この間,RFIDが本当にこの目的に適するのかどうかの検討を続けた.RFIDだけでなく,バーコード,QRコード等と併用して使うのが適当と考えるようになった.その方向で研究を続けている.副産物として,バーコード,QRコード,RFIDなどの教材を開発した.
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