研究概要 |
平成16年度は,集積回路工学および計算機科学の観点からの以下の研究を並行して行った. 【集積回路工学の観点からの取り組み】(担当:青木および平塚)各種の非線形結合振動子系を実現する人工触媒ネットワークを設計するとともに,平成15年度に試作した2次元人工触媒素子チップをプログラムすることにより,その動作を確認した.特に,FitzHugh-南雲方程式に代表される興奮場の反応拡散ダイナミクスをチップ上で再現し,BZ反応のような動的に伝搬する化学反応波の発生を確認した.さらに,人工触媒チップの最適な幾何学的配置などについて試作実験を通して総合的に検討した.また,チップ上で発生する化学反応波の可視化,これを用いた最適経路探索のデモンストレーションを行った. 【計算機科学の観点からの取り組み】(担当:青木)平成15年度に検討した応用のうち,(i)生物系テクスチャ画像の生成,(ii)指紋画像の復元,(iii)2次元経路探索について,そのアルゴリズムをディジタル反応拡散システム(DRDS:Digital Reaction Diffusion System)の枠組みに基づいて,科学技術計算ツールMATLABおよびGNU Octave上において実装し,総合的な評価を行った.一般に,ディジタル反応拡散システムは多次元の非線形ディジタルフィルタとしてモデル化されるため,その動作解析には膨大な計算量が要求される.そこで,GNU Octaveを並列言語拡張するとともにPCクラスタ上に実装し,大規模シミュレーションを可能にした.
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