研究課題/領域番号 |
15650018
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
メディア情報学・データベース
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 裕之 九州大学, 芸術工学研究院, 助教授 (40243977)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | コントラスト / リアリティ / 運動知覚 / 印刷物 / 錯視 / 輝度 / 順応 / 視覚 / 等輝度 / 知覚 / 主観評価 / 画像 / サッカード / 輝度コントラスト / 画像印象 / 色純度 / 展示 |
研究概要 |
3年に渡り、主に印刷された画像のコントラストを操作して、リアリティのある静止画像を作成することを試みた。プロジェクタによる印刷物への同画像投影を行うことにより、飛躍的にコントラストが向上し、かなりくすんだ印刷画像であっても活き活きとした鮮明なもになることが実際に確かめられた。プロジェクタの解像度はXGAであっても、もともとの印刷画像に微細情報が含まれているため、投影により細部が失われることはなかった。通常照明の画像と同時に観察すると、通常照明の画像よりは一層くすんで見えた。人間の視覚系は、コントラストに対して急速に順応するものと思われる。問題点としては、印刷画像と投射画像の位置ずれを最小限にする調整が必要なことと、最適な画像を提示するためには輝度コントラストと彩度コントラストの独立した調整が必要なことであった。単にグレースケール化した投射画像で輝度コントラストだけを強調すると、彩度コントラストが非常に弱く見え、元画像をそのまま投射すると、彩度コントラストが非常に強くみえるためである。これらに加えて、本年度は逆に、画像の輝度コントラストをほとんどなくし、色情報のみの画像を使うことにより、画像が動いて見える現象を調べた。この現象は、薄暗い環境においてよく観察され、グレースケールによる画像では観察されなかった。輝度コントラストの低下した画像では、眼球運動による網膜像の動きがサッカード抑制を受けずに、そのまま見えるようである。この錯視現象は、ECEM'05(眼球運動に関するヨーロッパ会議)にて発表した。また、静止画の輝度の配置パタンによって動きが見える錯視について、そのメカニズムを調べた。輝度コントラストへの順応が関与していると思われるが、背景の輝度を変化させると見えの方向が変わることから、この説を部分的に確認しECVP'05(視覚に関するヨーロッパ会議)にて発表した。
|