研究概要 |
本研究では,以下の2つのアプローチで研究を進める. (1)注目,価値判断の分析,モデル化 人間が実際に書いたテキストから,価値判断に関連する個所を抽出し,それを分析することで,注目,価値判断のモデル化を行なう. (2)仮説としての注目,価値判断のモデルの,システムとしての実現,検証 (1)で示したモデル化とは別に,現時点で,これまでのサーベイ自動作成研究等から得られた知見を元に,注目,価値判断のモデルを構築し,それをシステムとして実装した上で,評価を行なう.システムの評価結果を元に,モデルの検証,必要な修正等の考察を行なう. 今年度は(1)の中で特に以下の(1-1),(1-2)を行なった. (1-1)価値判断に関連する個所を網羅的に抽出するシステムの開発 人間の「評価情報」を抽出するシステムの性能は,抽出の際手がかりとなる,評価情報を記述するのに典型的に用いられる表現(「評価表現」)を網羅的に収集できるかどうかに大きく依存する.従来この評価表現は人手で収集する手法が用いられていたが,本研究では,コーパスから「評価表現」を網羅的に獲得する. (1-2)抽出した,価値判断に関連する個所の分析 抽出した個所から,評価対象(「どういう情報に対する評価か」,評価内容(「どういう評価か」),評価理由(「どうしてそのような評価になったか」)の3つ組を抽出する.評価理由は明記されていない場合もあり得る.得られた3つ組を分析し,価値判断のモデル化を行なう.なお,分析には統計的手法の利用も検討するが,人手による分析となる可能性もあり,その場合は人的コストがある程度必要となる.
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